
リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」:終わり無きアラビアの一夜
リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」 作品35 アラビアンナイトの世界を描いたリムスキー=コルサコフの傑作。 1楽章「海とシンドバッドの船」2楽章「カランダール王子の物語」 3楽章「若い王子と若い王女」4楽章「バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲」 の4楽章でできている。 シャーリアール王は、妻の不貞で女性不信に陥り、一夜を過ごす女性をことごとく殺していた。 それ […]

モーツァルト セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」:音楽の天使
モーツァルト セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 ト長調 K.525 「小夜曲」という意味のこの曲は、モーツァルトの楽曲の中でも最も有名なものの1つ。 それだけに、モーツァルトらしさ、特に「美」の点においては、最高に表現されているように思える。 モーツァルトについて僕が語るという行為は、非常におこがましいものだろう。 モーツァルトの試行錯誤ではなく、神が(あるいはその使者が)彼 […]

プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」:悠久の娯楽
プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」 ニ長調 作品25 ハイドンが現在に生きていたら、こんな曲を書いただろう、というプロコフィエフの交響曲第1番。 作曲にもピアノを用いず、机に向かって作る古典スタイルを貫いた。 プロコフィエフの「古典」は、「古典」であると同時に「現代」の要素に満ちている。 軽快・明確な旋律は古典的だが、プロコフィエフならではの意外な転調、拍子の切り替えが実に憎い。 1楽章のニ音か […]

チャイコフスキー 大序曲「1812年」:興奮・轟き
チャイコフスキー 大序曲「1812年」 変ホ長調 作品49 1812年、ナポレオン率いるフランス軍はロシアに遠征し、ロシア軍に返り討ちにあう。 ロシア軍の勝利を描いた約16分の序曲。 ギリシア聖教徒の聖歌をモチーフにした序奏は、ロシア軍が勝利を神に祈っているかのようだ。 ロシア軍は行進し、ラ・マルセイエーズを奏でながら進んでくるフランス軍と衝突する。 ロシア民謡とラ・マルセイエーズは入り乱れ、激し […]

シューマン 幻想小曲集:夜の幻想
シューマン 幻想小曲集 作品12 シューマンの1837年に作られたピアノ曲集。 それぞれ表題があり、「夕べに」「飛翔」「なぜに?」「気まぐれ」「夜」「寓話」「夢のもつれ」「歌の終わり」 ピアニストのロベーナ・レイドロー嬢に献呈。 僕が初めて弾いたのは「飛翔」で、この曲やブラームスを弾くようになってから、音楽の楽しみ、美しさを少し理解するようになった。 シューマンの持つメロディックな響きと、しっかり […]

バッハ ブランデンブルク協奏曲第1番:音楽をする喜び
バッハ ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調 BWV 1046 ドイツ・ケーテンが音楽の黄金時代だった頃、つまり、バッハがケーテン宮廷で宮廷楽長であった頃の作品。 この協奏曲は全部で6曲あり、ケーテンで書きためた数多くの協奏曲の中からバッハが厳選して、ブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルードヴィヒに献げられたものである。 第1番は6曲の中で最も規模が大きい。 堅さ・厳密さ以上に、自由な空気、遊 […]

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」:永遠の一番
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 ベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲のうち最も有名かつ芸術的に成熟した作品。 ルードルフ大公に献げられたこの曲は、当時のフランス軍によってウィーンが占領されていたにもかかわらず、非常に堂々とした、力強いもので、まさに「皇帝」を思わせる(ただしこの副題はベートーヴェンによって付けられたものではない)。 僕が初めてこれを聴いたとき、「ああ、 […]