クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

Monthly archive 9月, 2008
ショスタコーヴィチ 祝典序曲:作曲家の才能

ショスタコーヴィチ 祝典序曲:作曲家の才能

ショスタコーヴィチ 祝典序曲 作品96 1954年の第37回ロシア革命記念日のために作られた曲。 ショスタコーヴィチの曲はどうも暗くて重くてどーんという感じが多いのだが、この時期の曲は割とそうでもない。 特にこの曲は、ショスタコーヴィチらしからぬ、簡潔・明朗なメロディーの曲だ。 ファンファーレから始まり、実に明るく、つい興奮してしまう曲である。 クラリネットの流れるような旋律は大変美しい。 この曲 […]
エルガー 交響曲第1番:これだ!

エルガー 交響曲第1番:これだ!

エルガー 交響曲第1番 変イ長調 作品55 表題音楽の多いエルガーだが、この交響曲はそうではない。 芸術の一種の極みとも言うべき絶対音楽である。 ブラームスと同じように、彼がいかに「交響曲」というものを重く捉えていたかがわかる。 エルガーというと「威風堂々」や「愛の挨拶」など、抜群に心に響く旋律が印象的だが、やはりこの曲でも「旋律」の美しさは他の追随を許さない。 冒頭の主題の高貴さ、神々しさ、そし […]
ラヴェル ラ・ヴァルス:ワルツと、ワルツを踊る者

ラヴェル ラ・ヴァルス:ワルツと、ワルツを踊る者

ラヴェル ラ・ヴァルス 題名はそのまんま、ワルツということだが、単純なだけに含蓄あるように思える。 なんとも恐ろしい中毒性、いったいこの曲は何を支えに動いているのか。 ウィンナー・ワルツへの憧憬に戦争という要素が入り交じり、一見グロテスクなワルツである。 揺れるテンポ、不安感、かみ合うかかみ合わないか、ギリギリのところで鳴る音楽。 華麗なワルツが現れたり消えたり、最後には「崩壊」に向かう音楽。 し […]
ドビュッシー 子供の領分:父のやさしい詫言

ドビュッシー 子供の領分:父のやさしい詫言

ドビュッシー 子供の領分 子供のために書かれた作品ではなく、あくまで子供の心情や情景を描いた、ドビュッシーの後期の作品。 「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」「象の子守歌」「人形へのセレナード」 「雪は踊っている」「小さな羊飼い」「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」の6曲からなる。 ドビュッシーによって長年考え尽くされたあらゆる技法が組み合わさり、絶妙な融合美が生まれている。 僕のお気に入りは「グ […]
シベリウス 交響詩「フィンランディア」:限りなく非芸術に近い完全な芸術

シベリウス 交響詩「フィンランディア」:限りなく非芸術に近い完全な芸術

シベリウス 交響詩「フィンランディア」 作品26 故郷フィンランドがロシアによって弾圧されていた時代、この曲はフィンランドの人々を励まし、奮い立たせた。 この曲のおかげで今のフィンランドがある、といったら言い過ぎだろうか。 それほどに影響力があり、今なおフィンランドの人々、そして世界中の人々に愛されている、シベリウスの中で最も知名度の高い曲である。 重厚な金管から始まるのはロシアの圧政、それに苦し […]