ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番

ショパン ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11


ピアノの詩人ショパンの、数少ない管弦楽が含まれる作品。
ショパンが20才の時に作曲され、故郷ワルシャワを離れる際の告別演奏会で演奏された。
実際には2番の方が先に作られたのだが、出版の関係でこちらが1番になった。
ショパンの作品の中では初期のもので、ショパン後期のピアノ曲に見られるような、円熟した美という感じはしないのだが、作品の長さもあり、「ショパンらしさ」を十二分に味わえる。
管弦楽法の下手さなどがよく指摘されるが、それをも気にさせない抜群のピアノ使いは、さすがピアノの詩人と言ったところである。


初めてこの曲を聴いたとき、まあショパンと言えばピアノ音楽の代名詞のような人だから、「ショパンのピアノ協奏曲ってどんなにすごいんだろうな…」と思ってわくわくしながら聴いた訳だが、まず最初数分間ピアノが出てこないことに驚いた。
いつになったらピアノ来るの?と思ううちに、力強く、悲しげな独奏が始まる。
始まってしまえばもういつものショパンワールドである。オケなど知らない。
ピアノだけで十分な程の美しさ。
華やかな1楽章が終わると、2楽章から有無を言わせぬ甘美の世界が始まる。
こんなにロマンティックなものが他にあろうか。実に幸せな気分になれる。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番の2楽章といい勝負だと個人的には思っている。
甲乙は付けられないが、ロマンティックさで言えばショパンの右に出る者はそうそういない。
そして3楽章も、他の協奏曲と比べても圧倒的なピアノの存在感。
オケと掛け合いで進み、民族風な旋律も登場する。この民謡調の旋律もショパンらしさの1つだ。
以前も述べたが、この楽章もピアノのアルペジオ、それも超絶なものが出てきて、曲を盛り上げている。


ピアノがなかなか登場しない、という点にショパンのピアノ愛が感じられると言ったら少し考えすぎだろうか。
しかしこの曲を聴いてると、正直これはピアノ曲で良かったのではないか、と思うこともしばしばある。
今はそれを肯定的に捉えるようにしている。
それほどにピアノという楽器はオーケストラに引けを取らないし、またそれほどにショパンのピアノは別格なのだ。

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