アルビノーニ オーボエ協奏曲:ちょっとおすまし

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アルビノーニ:オーボエ協奏曲集

アルビノーニ オーボエ協奏曲作品7、9


クラシック入門みたいなCDによく「アルビノーニのアダージョ」が入っているが、敢えてそこには触れないで、オーボエ協奏曲を取り上げる。
そもそも、「アルビノーニのアダージョ」は、アルビノーニのオリジナルではなく、発見された断片的な楽譜を後になって復元したものだ、というのはよく知られている。
僕の知る限り、アルビノーニのオーボエ協奏曲とは、アダージョの次に出会える可能性のある曲らしい。
そしてオーボエ協奏曲以外の器楽曲に手を染め、彼の音楽にはまってしまうと、それから先の音源の少なさに絶望するらしい。
まあ半分冗談であるが、彼の生涯の謎の多さや、楽曲の数は少ないが非常に高い音楽性など、ある意味伝説的な作曲家ではある。
僕が運良くオーボエ協奏曲に出会えたのは、オーボエをやっている友人の伴奏をしたからである。
ちなみにそのときは作品7-6で、管弦楽伴奏のピアノ編曲の難しさに閉口してしまったのだが(今でも彼女には申し訳ない気持ちでいっぱいである。笑)、アルビノーニはこれほど美しい協奏曲を作っているのか、と感激した。
「アルビノーニのアダージョ」しか知らなかった方は、是非ここで一歩進めて頂きたい。


あまりにも綺麗、透き通ったような、主張しすぎない旋律。
それ故にソリストのアドリブも一層際立つ。
バロックのオーボエ協奏曲というと、ヴィヴァルディのコンチェルトが思い浮かぶが、聞き比べるとどうしてもアルビノーニが妙に大人びているような気がしてならない。
ヴィヴァルディのがおてんばな少女なら、アルビノーニのはちょっとおすまししたお姉さんのような。
非常に裕福な貴族の家庭に生まれ、宮廷音楽家としてではなく、自由に作曲したり(ちなみに家は紙屋)自費で演奏会を開いたりしていたらしい。
彼の生み出す優雅で流暢な旋律には、どうもそういう背景が関係していそうである。
さて、作品7と9を取り上げたが、これらは協奏曲集で、他の楽器のコンチェルトも含まれている。
オーボエ協奏曲として(ファンの間で)人気があるのは9-2である。
この2楽章が、それこそ今度は良い意味で閉口する程美しい。
聴く度に、オーボエのロングトーンってこんなに美しいのか、しみじみと思う。
個人的なお気に入りは、7-6はもちろんだが、9-3の2本のオーボエのためのコンチェルトである。
ブラームスのダブコンなどもそうだが、2人の奏者のための協奏曲とは、それだけで非常に味のあるものだ。
それにしてもこの作品、アマチュアの世界では、オーボエ奏者とその伴奏者くらいにしか知られる機会がない曲のようである。
そういう曲は山ほどあるし、そういう中から珠玉の名曲と出会えるというのは、貴重なことだし、音楽する幸せの1つだろう。

アルビノーニ:オーボエ協奏曲集 アルビノーニ:オーボエ協奏曲集
ホリガー(ハインツ),アルビノーニ,イ・ムジチ合奏団,ブルーグ(モーリス)

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