ホルスト:惑星

ホルスト 組曲「惑星」作品32


世界一有名なクラシックの登場、とも言える「惑星」だが、さて、何を語ろうか。
クラシック音楽の名曲というのは、大体がほぼ語り尽くされているようなもので、まあそれでもめげずになるべくオリジナリティのある文章を目指しているが、さすがに「惑星」クラスになると、ちょっと難しい。
ホルストが「惑星」だけが異常にもてはやされていたのに困惑していた、というのは有名な話だ。
「ホルストにはいい曲が沢山ある」確かにそれは認める。
ムーアサイド組曲、セントポール組曲、吹奏楽のための組曲などなど、僕も大好きだし、名曲に違いない。
しかし、やはり「惑星」にはかなわない。
それも、「木星」の美しさが何より一番。
こう社会が決めてしまった。そしてこれから先、きっと覆されることはないだろう。


僕はどうも、ホルストという作曲家に対して、「二流」というイメージを抱いている。
もちろん、世の中には数え切れない程作曲家がいて、そのほんの一部が頂点にいるのだが、もちろんホルストは頂点の部類である。
つまり非常に高いレベルでの話である。
バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、ショパン…僕の中でほぼ神格化されるような作曲家と比べると、ホルストはやや劣る。
だがその「二流さ」「劣り方」が、ホルストの魅力そのものに違いない。
占星術をテーマにした神秘性の音楽「惑星」、何々の使者などどこへやら、僕にはどう聞いても民謡にしか聞こえない。
しかし、それが美しいのだ。
もう嫌と言うほど聴いたはずなのに、僕は今でも「木星」で鳥肌が立つし、涙が出る。
クラシックファン以外にとっては、たとえ民謡っぽいとしても、ホルストの意図やテーマなんてどうでも良いのだ。
クラシックファンだって、「冥王星」だの「小惑星」だの付け加えたり、気軽に「どれが一番好き?」「私は火星かな」のようなとりとめのない話をする訳だが。
BGMはもちろん、ポップスアレンジで使われたりと、ある意味尋常でないほど愛されている。
これ程愛される曲もそうないだろうし、それは決してホルストの望みではない。
それゆえに「惑星」は「二流作曲家」ホルストの最高傑作として、いつまでも演奏され続けるのだ。

ホルスト:惑星 ホルスト:惑星
ノリントン(ロジャー),ホルスト,エルガー,シュトゥットガルト放送交響楽団

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