ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」、ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲

ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲 J.277


モーツァルトの「魔笛」、ベートーヴェンの「フィデリオ」に並び、ドイツ国民オペラの金字塔であるウェーバーの「魔弾の射手」。
その序曲は、もはや交響詩のような1つの作品であるかのような劇的な展開を持ちつつ、ベートーヴェンのような堅固で明晰な印象を持つ、正に初期ロマン派を代表する曲と言える。
歌劇は1821年に初演され、現代に伝えられている上演後の観客たちのすさまじい興奮からは、当時イタリアオペラと真っ向から対決姿勢を見せていたドイツオペラを勢いづけるような作品であったことがうかがえる。
ベートーヴェンはこの作品を高く評価し、ベルリオーズやワーグナーも大きな影響を受けた。
コントラバスのピッチカートとそれに乗るクラリネットの響きの趣きは思わず息をのむ。


筋書きもドイツの色合いくっきりで、オペラの中では割と僕の好きな方だが、あまり序曲以外のことについて書いても仕方ないので、省略する。
ただ、第1幕のフィナーレ・カスパールの「Schweig, schweig, damit dich niemand warnt」や、第2幕アガーテのアリア「Wie nahte mir der Schlummer」やアガーテ、エンヒェン、マックスの三重奏「Wie? Was? Entsetzen!」などは一聴に値すると思うので書いておく。
また、全くの余談だが、僕は小さい頃からだいぶ長い間、「まだんのいしゅ」と間違えて読んでいたので、時々口をついて「いしゅ」と出ることがある。そうなるとちょっと恥ずかしい。
さて、なぜかウェーバーはあまり日本では演奏される機会がないように思うのだが、どうだろうか。
これほど完成された序曲なのだから、序曲だけでももう少し日本で取り上げられてもいいように思うのだけれど。
以前「歌劇の序曲だけ取り上げるのは云々」などと言っておきながらなんだ、という感じだが、まあご勘弁。
というのも、僕はこの曲を何度もひとりでCDで聴いているのだが、そうやって聴く分には、何かしらの小品ほど軽すぎず、ベートーヴェンほど重すぎず、それでいてドイツ音楽らしさを楽しむというのに程よい曲だからだ。
時間も10分くらい。曲の終わりには、ひとりうなずいて「ヤー、ブラーヴォ」と呟く。大声では言わない。序曲だしね。
序曲だけでは、歌劇そのものと違い、大興奮・熱狂などはないが、良い曲だと素直に感じるし、納得できる。
上質な音楽を楽しむという点では、決してベートーヴェンに引けをとらない。

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」、ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲 ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」、ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ケーゲル(ヘルベルト),ムソルグスキー,ウェーバー,ラヴェル,NHK交響楽団

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