クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

Monthly archive 5月, 2009
ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー:限りなくブルーなラプソディ

ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー:限りなくブルーなラプソディ

ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー ポピュラーとクラシックの融合した言わずと知れた名曲で、僕も大好きな曲だ。 だがそれは僕が単にクラシックとジャズが好きだから、という訳ではない。 ポール・ホワイトマンのオファーに応じてガーシュウィンが作曲、最も有名な管弦楽とピアノのための版は、アメリカを代表する「偉大なる観光作曲家」ファーディ・グローフェのオーケストレーションによる。 このスケールの大きさは […]
ハチャトゥリアン 交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」:全てクライマックス

ハチャトゥリアン 交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」:全てクライマックス

ハチャトゥリアン 交響曲第3番「シンフォニー・ポエム」 ロシア革命30周年記念に作られた曲、などという肩書きは実際どうでもよい。 当時のソ連作曲家たちはだいたい革命記念とか何々記念式典とか、そういった理由で曲を作っている。お国の事情というやつである。 曲の内容は命に関わる。だから、体制を讃えるという名目で曲を作れるのは、作曲家にすれば芸術的な(最も本当の)自己表現のチャンスでもあるのだ。 この交響 […]
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番:感情に!

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番:感情に!

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18 最も人気のあるピアノ協奏曲といったら、やはりラフマニノフの2番なのではないだろうか。 有名なエピソードがある。1897年、交響曲第1番がグラズノフ(ほろ酔い)指揮による駄演で大失敗に終わり、ショックで後3年間想像力が全く湧かない程にうつ状態に陥ったラフマニノフが、すぐれた催眠療法の医師であるダール氏の治療を受け、彼から繰り返しこの言葉を受ける 「あ […]
エルガー 子どもの魔法の杖 第1組曲、第2組曲:幸福のノスタルジー

エルガー 子どもの魔法の杖 第1組曲、第2組曲:幸福のノスタルジー

エルガー 子どもの魔法の杖 第1組曲、第2組曲 作品1a、1b もともとの題材は、エルガーが子どもの頃、兄弟・姉妹たちと一緒に、両親のために演じた劇用に作曲した音楽である。 エルガーは50歳のとき、その幼少の頃の作品に再び目を向け、管弦楽組曲に編曲した。 劇の内容は、子供から魔法の杖をもらった二人の大人(両親)が、妖精の国で遊ぶ、という実にかわいらいしいものだ。 第1組曲は「序曲」「セレナード」「 […]
ジャヌカン 鳥の歌、他:ルネサンス・シャンソンの楽しみ

ジャヌカン 鳥の歌、他:ルネサンス・シャンソンの楽しみ

ジャヌカン 「鳥の歌」、「その昔、娘っ子が」、「この美しい五月」 クレマン・ジャヌカンは15世紀の終わりから16世紀にかけて活躍した、シャンソンの作曲家である。 僕はあまりシャンソンには詳しくないが、ジャヌカンの作品は、古典音楽として非常に素晴らしいものに思う。 多くの作品のうち、ここではいつくかの世俗的シャンソン(多声のもの)について紹介する。 「鳥の歌」はジャヌカンの最も有名な作品の1つで、最 […]
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」:無限の解放へ

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」:無限の解放へ

ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調「運命」作品67 僕が初めて「運命」を聴いたのは、確か小学生のときの「名曲アルバム」のビデオか何かで、そのときの印象は、「なかなか終わらない曲だなあ」というものだったと思う。 なかなか終わらないというのは、曲が長いことではなくて、4楽章の途中で盛り上がってきて、いかにも終わりそうなところで、実はまだ終わらない、ということだ。 ファゴットソロ、ホルンソロに入る直前の […]
グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲:疾走するクラシック代表

グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲:疾走するクラシック代表

グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲 グリンカの作品を知る人は、まずこの曲に魅了された人、という人がほとんどだろう。 華やかで軽やかで、本当に「序曲」とはオープニングを飾るためのものだ、としみじみ思ってしまう。 1842年、彼の第2作目のオペラとなる「ルスランとリュドミラ」は、ロシア語によるオペラの先駆けとなったものだ。 グリンカは、ロシア国民楽派の作曲家としてもパイオニア的存在で、ロシア五 […]