Le Chant Des Oyseaulx

ジャヌカン 「鳥の歌」、「その昔、娘っ子が」、「この美しい五月」


クレマン・ジャヌカンは15世紀の終わりから16世紀にかけて活躍した、シャンソンの作曲家である。
僕はあまりシャンソンには詳しくないが、ジャヌカンの作品は、古典音楽として非常に素晴らしいものに思う。
多くの作品のうち、ここではいつくかの世俗的シャンソン(多声のもの)について紹介する。


「鳥の歌」はジャヌカンの最も有名な作品の1つで、最大の特徴は、鳥の声の模倣である。
「ひばりの歌」「うぐいすの歌」などでもそうだが、いわゆる擬態語、擬音語を用いて、鳥のさえずりを見事に表現している。
「鳥の歌、女たちのおしゃべりを模しては非の打ち所なく、まさに神がかり」と、詩人バイフはジャヌカンを讃えたそうだが、この鳥たちの歌声はまったく感動的である。
また、この鳥のさえずりは、当時の宮廷人たちの特徴や性格をも同時に模倣しているのだ。それも皮肉混じりに。


「その昔、娘っ子が」は、ジャヌカン世俗シャンソンのヤマとも言える、男女の「お手合わせ」を描いたもの。
歌詞はだいぶきわどいので書かないが、濡れ場の描写はなんとも表現豊かに活き活きと(?)している。
これがあえてセクエンツィア風の形式をとっているところも、ジャヌカンの面白味のひとつだろう。


「この美しい五月」は、まあせっかく五月なので取り上げてみた曲で、別にジャヌカンの真髄をつくようなものではない。
「A ce joly moys de may Faisons tous bonne chere(この美しい五月、御機嫌もうるわしく、皆の方々)」と歌われるこの曲は、素敵な春の空気と、ちょっと皮肉って描かれた人々の活気・猥雑さが感じられる。
「Chascun fasse son essay Pour serrer la croupiere(各々の方々、試してみては?、キスと抱擁の首尾のほど)」
ちょっとどうしようもないが、まあこういう季節に聴くのがぴったりだ。


ジャヌカンの工夫を凝らした自然や人々の巧みな描写を、歌い手の美しい声、華麗なテクニックを堪能しながら、ワインでも飲む。
これがジャヌカン・世俗シャンソンの楽しみ方だろう。
なにせ僕は歌えないからね。

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