クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

Monthly archive 6月, 2009
ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲:陰に隠れた最高峰

ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲:陰に隠れた最高峰

ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲 誰かがそう言っているのを聞いたことがないが、僕はこの「左手のための協奏曲」を、ラヴェルの最高峰として挙げたい。 1931年、戦争で右手を失ったピアニスト、ウィトゲンシュタイン(哲学者ウィトゲンシュタインの兄)の委嘱作品であり、以降左手のピアニストたちの重要なレパートリーとなっている。 ラヴェルのピアノ協奏曲というと、もう1つ、あの冒頭のインパクトが強烈ないわゆる […]
シベリウス 交響曲第3番:内省による純朴さ

シベリウス 交響曲第3番:内省による純朴さ

シベリウス 交響曲第3番 ハ長調 作品52 フィンランディア、交響曲第1番、第2番で成功を収めたシベリウスは、ヘルシンキで豪奢な生活を送っていた。 彼は酒とタバコに浸り、その生活は享楽を極め、徐々に健康を害し、家計も圧迫し、ついには彼の創作活動にまで影響を及ぼしだした。 そこで彼は一念発起し、ヘルシンキ郊外の自然に囲まれたヤルヴェンパーという地に家を建て、そこで暮らすようになる。 創作意欲を取り戻 […]
ケージ 4分33秒:空白をお楽しみください

ケージ 4分33秒:空白をお楽しみください

                                                        &nbs […]
ダンディ フランス山人の歌による交響曲:洗練された田舎歌

ダンディ フランス山人の歌による交響曲:洗練された田舎歌

ダンディ フランス山人の歌による交響曲 作品25 ポール・マリ・テオドール・ヴァンサン・ダンディは、フランクの弟子であるフランスの作曲家である。 彼の作品の中で最も有名なものは、この「フランス山人の歌による交響曲」だろう。 別名「セヴァンヌ交響曲」ともいい、ダンディがセヴァンヌの山並みを望む街ペリエにて、1886年の夏、耳にした民謡を主題にしていることからそう呼ばれる。 また、ピアノが非常に目立つ […]
ベルク ヴァイオリン協奏曲:思い出を抱きて…

ベルク ヴァイオリン協奏曲:思い出を抱きて…

ベルク ヴァイオリン協奏曲 ある天使の思い出に 初めてこの曲を聴いたときは衝撃が走ったものだ。 シェーンベルクの弟子でありウェーベルンの盟友でもあるアルバン・ベルクは、新ウィーン楽派のひとりである。 ベルクは、ヴァイオリン奏者ルイス・クラスナーに協奏曲を委嘱されていたが、歌劇「ルル」を作曲中で、手つかずであった。 だが、一人の美しい娘の死をきっかけに、歌劇「ルル」を中断してこちらに取りかかった。 […]
リスト 巡礼の年 第2年「イタリア」:芸術世界の混沌

リスト 巡礼の年 第2年「イタリア」:芸術世界の混沌

リスト 巡礼の年 第2年「イタリア」 1837年から、リストはイタリア旅行に出かける。 その時に出会った文学・絵画からインスピレーションを受けて作られたピアノ曲集が、この巡礼の年:第2年「イタリア」である。 第1年「スイス」の「オーベルマンの谷」、第2年「イタリア」の「ソナタ風幻想曲:『ダンテを読んで』」、第3年の「エステ荘の噴水」は特に有名だ。 リスト自身、「ラファエロとミケランジェロがモーツァ […]