クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

Monthly archive 10月, 2009
チャイコフスキー 弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」:思い出とは?

チャイコフスキー 弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」:思い出とは?

チャイコフスキー 弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」作品70 この作品の初稿が完成したのが1890年、さらに最終的な完成は1892年、その翌年にチャイコフスキーは亡くなっているので、彼の最晩年の作品だ。 弦楽六重奏曲という変わった編成はあまり数の多いものではなく、ブラームスのそれが有名だが、チャイコフスキーの室内楽の中ではこの六重奏が名高い。 彼がこの作品を手掛けたのは、歌劇「スペードの女王」を […]
グラズノフ 交響詩「ステンカ・ラージン」:耽美な小劇場へ

グラズノフ 交響詩「ステンカ・ラージン」:耽美な小劇場へ

グラズノフ 交響詩「ステンカ・ラージン」作品13 ロシア音楽の持つ濃厚な味わいという点では、グラズノフに勝る作曲家はいないかもしれない。 チャイコフスキーもボロディンも良いが、もっとコッテコテの味付けでロシア音楽を楽しみたいなら、やはりグラズノフだ。 彼の作品のうち全部が全部そうだとは言わないが、まあ大体そういう感じで間違いはない。 この曲も、弱冠20歳で作曲されたにもかかわらず、濃厚なグラズノフ […]
ベルワルド ファゴットと管弦楽のためのコンツェルトシュテック:蘇る北欧の輝石

ベルワルド ファゴットと管弦楽のためのコンツェルトシュテック:蘇る北欧の輝石

ベルワルド ファゴットと管弦楽のためのコンツェルトシュテック フランツ・ベルワルドはスウェーデン生まれの作曲家で、シューベルトとほぼ同時代人である。 ただ、シューベルトは若くして亡くなったのに対し、ベルワルドはかなり長生きしている。 その分だけ彼の作風もロマン派寄りである。 だが長生きした割には、存命中にあまり良い評価を得なかった、不遇の作曲家でもある。 そんな彼の作品の中でも一押しなのが、この「 […]
松平頼則 ダンス・サクレ、左舞、右舞、ダンス・フィナル:音楽の行き先

松平頼則 ダンス・サクレ、左舞、右舞、ダンス・フィナル:音楽の行き先

松平頼則 ダンス・サクレ、左舞、右舞、ダンス・フィナル まるで戦国時代のような名前だが、1907年に生まれ2001年に亡くなった、日本の作曲家である。 クラシック音楽界ではまあ需要の無い方の部類の作曲家ではあるけれども、人気不人気だけで音楽の良し悪しを決定してはいけない。 それに彼は、カラヤンがその作品を指揮した唯一の日本人である。 その時の作品は「ピアノとオーケストラのための主題と変奏(越天楽に […]
シューマン ピアノ五重奏曲:彩られた夢と少しのノスタルジー

シューマン ピアノ五重奏曲:彩られた夢と少しのノスタルジー

シューマン ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44 この曲も、いわゆるシューマンの「室内楽の年」、つまり1842年に書かれたものだ。 シューマン32歳の秋である。彼はわずか数週間でこの曲を書き上げた。 現代でも室内楽の重要なレパートリーの1つだが、作曲当時の評価は様々だったようである。 ライプツィヒのケヴァントハウスで初演された際、聴衆の中にいたフランス・ロマン派の作曲家ベルリオーズは、ドイツ・ロマ […]