Poulenc: Cello Sonata/2 Pianos

プーランク チェロ・ソナタ


いよいよこのブログに登場する「フランス6人組」のひとり、フランシス・プーランクの残した唯一のチェロ・ソナタ。
プーランクというと、オーボエ・ソナタにフルート・ソナタ、クラリネット・ソナタと、管楽器のソナタが珠玉の名曲となって残っている。
さらにプーランク自身は、弦楽器の扱いを苦手としていると公言している。
初演はピエール・フルニエのチェロとプーランクのピアノによって行われたが、彼はフルニエにもそう伝えていたらしい。
それでもこのチェロ・ソナタは、プーランクの至高の楽曲と言っても良いだろう。
プーランクの音楽の魅力であるシニカルな雰囲気、軽快さ、たおやかさが十分に詰まっている。


プーランクのソナタの中で唯一の四楽章構成。1楽章は「行進曲のテンポで」と記されている。と言っても全然行進曲の気配は無い。むしろおどけたような感じ。
2楽章は一転して、チェロが美しく歌う「カヴァティーナ」。思うにプーランクはこういった洗練された歌的な美を軽妙な音楽に挟み込んでくるからこそあなどれないのだし、それらをひとまとまりの音楽として提出してきたからこそ評価されているのだ。
そんなことを言いつつも、白眉はやはり3楽章と4楽章である。
まず舞踏の曲という意味の3楽章「バッラービレ」、僕はこういった小躍りしたくなるような軽快な曲が大好きだ。
印象主義でもないし、表現主義でもない、それなのにパリの路地裏を駆けている少女を思い描いてしまうような音楽は、プーランクにしか作れないのだろう。
4楽章のフィナーレは生命力すら感じる。
この曲はよくテナー・サックスなどでも演奏されるし、案外ファゴットとかの管楽器でも似合うような雰囲気がある。その辺りにプーランクの弦より管寄りな気質を感じる。
しかし、それも1,2,3楽章の話で、4楽章のこの力強さというか瑞々しさに満ちたパワーというか、そういった力は、チェロでこそ最も発揮されるものだ。
プーランク自身で苦手だと言いつつも、この曲が管楽器のソナタと並んで名曲だと感じるのは、やはりチェロという楽器が紡ぎだす音色を活かしきっているところに理由があると思う。
弦楽器はちょっと…などと言うのは、プーランクが謙遜しているようにしか思えないのだが、どうだろう。

Poulenc: Cello Sonata/2 Pianos Poulenc: Cello Sonata/2 Pianos
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