Jacques Loussier Trio Plays Debussy

ジャック・ルーシェ・トリオ:月の光~ジャック・ルーシェ・プレイ・ドビュッシー


ジャック・ルーシェがドビュッシーを弾く。それだけで、ジャック・ルーシェのファンは身震いするだろう。
フランス印象派を代表するドビュッシーを、フランスの生んだクラシックとジャズのコラボ・アーティストが弾く、このアルバムはジャック・ルーシェの至高の1枚とも言える。少なくとも、ドビュッシーのピアノ曲を愛している僕にとっては。
月の光の他に、牧神の午後への前奏曲、アラベスク、亜麻色の髪の乙女、喜びの島、夢想、沈める寺、パンの笛をジャズっているのだが、牧神の午後も注目すべきところだろう。月の光以上に、夜の雰囲気全開にプレイしている。
ベノワ・デュノワイエ・デ・セゴンザック(ベース)、アンドレ・アルピノ(ドラム)とジャック・ルーシェ(ピアノ)の第三期ジャック・ルーシェ・トリオの演奏。


そもそも、ドビュッシーのピアノ曲は、普通に弾いたってジャズ・ピアノ顔負けのオシャレさがあると言っても良い。その分「あれ、案外普通に弾いてるなあ」と思うこともしばしばある。まあそれは宿命だろうが、ジャズ畑の人にとってはもっと冒険して見ても良いと思うのかもしれない。
月の光なんか特に、バーなんかで真面目に弾いても様になるような曲だと思うのだが、あの聴きなれた音列が現れると、すぐさまベースが顔を出す。一瞬「おっ」と眉をしかめたくもなるが、恐ろしいほどに怪しくも美しい月夜を描き出すから文句は言えない。
アラベスク、これももともと美しい曲だが、ベースが加わると一気に大人らしい雰囲気になって面白い。ブラシスネアも良い味。肝心なところ、例えば冒頭の美しいアルペジオチックな旋律などを壊さずにいてくれてるのは、クラシックファンとしては嬉しいものだ。
亜麻色の髪の乙女も楽しく聴かせてくれる。もとより崩壊気味の和声にはちょっといやらしいベースが。途中から軽くファンキーなドラムが入るのも面白い。
あまり暴れられないドビュッシー曲の中では、喜びの島は貴重。沈める寺も、アルピノの繊細なタム・シンバルの音作りが光る。
夢想のアレンジ、特に前半は素晴らしい。僕なんかぼーっと聴いていると何の曲か気付かないようなレベルだ。前半はピアノだけでインプロチックなアレンジ、後半はトリオでぐっとわかりやすいアレンジを施している。
パンの笛、これはフルート・ソロのための曲だが、これも大人っぽいプレイをしている。
ピアノ曲も、ピアノ以外が元ネタの曲も、それぞれの味わいが合って楽しめるアルバム。

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Claude Debussy,Loussier Trio

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