Mannheimer Schule 1-5

ダンツィ シンフォニア・コンチェルタンテ 変ホ長調 作品47


ベートーヴェンと同時代に活躍したフランツ・ダンツィ。
管楽器奏者にとっては重要な古典レパートリーの多い作曲家だが、あまりクラシック・ファンの間で知られた存在ではないのが残念だ。
フランツ・ダンツィはドイツの作曲家。マンハイム、ミュンヘン、シュトゥットガルト、カールスルーエの宮廷楽団員だった人物で、後期古典派から初期ロマン派の作曲家と言われるが、もうひとつ彼は「マンハイム楽派」の作曲家として知られる。
「マンハイム楽派」にはシュターミツやディムラーなどの作曲家も含まれるが、総じて彼らの知名度は低い。ダンツィもあまり知られた作曲家とは言えない。
カール4世フィリップ・テオドールがプファルツ選帝侯時代、マンハイムに宮廷を置き、彼は文化や学芸の振興に熱心であった。マンハイムには「科学アカデミー」も設置され、彼は宮廷楽団にも多くの投資をし、当時最高峰の音楽集団へと育て上げたのだ。
モーツァルトもマンハイムへ赴き、影響を受けたという。
そんなマンハイムの宮廷楽団員であったダンツィの功績としては、やはり多く残した木管五重奏曲であろう。その他の木管アンサンブルのための作品も、今日まで木管奏者たちに愛されている。


今回取り上げる「シンフォニア・コンチェルタンテ~クラリネット、フルート、管弦楽のための」は1785年の作品で、ダンツィの初期作品にあたる。
モーツァルトのシンフォニア・コンチェルタンテとの関係も指摘されるが、こちらは贋作議論もあり怪しい議論ではある。しかし、ダンツィがモーツァルトを敬愛していたことは事実であり、また同時代のベートーヴェンへの意識も相当なものだったようだ。
この「シンフォニア・コンチェルタンテ」は協奏曲風の3楽章による交響曲。フルートとクラリネットのソリストたちが活躍するこの曲は、木管アンサンブルよりスケールの大きな作品だが、木管楽器の魅力が十二分に伝わる作品だ。
そして何より、純粋な美しさがある。ベートーヴェンのような美しさとは全く異なる、宮廷音楽の屈託ない美。それはときに深みのなさを感じるかもしれないが、リラックスして気軽に聴ける音楽は良いものだ。
第1楽章は耳に残る愛らしいメロディーが特徴的。提示部の繰り返しからクラリネット、フルートのソリストがそれぞれ掛け合いの旋律を奏でる。
第2楽章は緩徐楽章。冒頭から金管楽器と木管ソロの重なりが美しい。
そして最後の第3楽章はポロネーズ。舞曲風の終曲は、終曲らしくソリストたちの技巧的な演奏が魅力的。簡潔素朴な伴奏に映える、目まぐるしくも美しい木管の調べは格別だ。
いつでもさっとCDを手にとって聴ける上に最高級の美しさ、そして聴きごたえもあるちょうど良いスケールの大きさが、この曲の魅力だ。
「マンハイム楽派」については、またの機会に詳しく語ろうと思う。ダンツィ含め、実に興味深い音楽だ。

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