モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」、第39番&第40番


モーツァルト 交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」


モーツァルト好きは定期的にモーツァルトの話をしないと気がすまないので、必然的にこのブログで取り上げる回数も多くなる。
一番多いのではないかと思っていたら、なんとシューマンとベートーヴェンの方が多いではないか。これではモーツァルト・ファンの名折れだと、自分を奮い立たせるためにもモーツァルトの話をすることにした。
僕は「好きな作曲家は?」と訊かれたら、モーツァルト、シューマン、ヴォーン=ウィリアムズの3人を挙げるが、この中でもやはりモーツァルトは一番かもしれない。
最も好きなクラシックの曲はモーツァルトではなくて、ベートーヴェンの皇帝なので、もちろんベートーヴェンも愛しているが、一生のうちどちらかしか聴けなくなるようなことになったら、間違いなくモーツァルトを選ぶ。僕には人間の精神が強く現れる音楽より、神がもたらした天上の音楽の方が性に合うのだ。
そして、この「プラハ」は、僕だけでなく多くのモーツァルト・ファンが口を揃えて言うのだが、「とても好きな作品」である。
それぞれのファンが1番好きなモーツァルトの曲はこれだというこだわりがあると思うが、たとえその1番に入らなくとも、これを上位に挙げる人は多いと思う。
その理由として考えられる意外な事実として、まずはこの「プラハ」という呼称と、そして全41曲と相当の数があるモーツァルトの交響曲の中で、そのほとんどが4楽章形式なのに対し「プラハ」は“3楽章しかない”という非常にわかりやすい特徴があるからだ。
これによって、宇宙全体のように無限の広がりを抱くモーツァルトの音楽の世界の入り口に意気込んで立った者は、「あ、この3楽章しかない交響曲がプラハって言うのね!」と、きっかけというか、モーツァルトの世界へ入るための取っ掛かりになり、他の多くの交響曲よりもずっと親しみをもってこの曲とお付き合いする訳だ。


といっても、これが初心者向けのやさしい簡単な曲かというと、実はそうでなくて、専門の研究者にとっても学術的に好奇心を寄せられる“謎多き名曲”である。
オペラ『フィガロの結婚』のプラハでの上演が大成功したことにより、モーツァルトはプラハから招待を受け、彼はこの交響曲を引っさげてプラハへ向かうことになるの。それがこの呼称の由来だが、なぜ3楽章なのかという点の方はまったくの謎である。
プラハの音楽趣味に合わせたという説や、単に作る時間がなかったという説、作ったはいいがボツにしたという説、そもそもこれは違う交響曲の差し替えのために作ったという説まで、色々である。まあ、専門家に任せたい。
冒頭は長い長いアダージョの序奏、この存在も謎だし特異だ。しかしこの序奏がまた聴衆を惹きつける。ニ長調の明るい調はやはりモーツァルト好きにはたまらない。3楽章のプレストも飽きが来ない楽しさがある。
個人的には第1,第3楽章のティンパニの心地よさが抜群というのも付け加えたい。
人気のある曲なので、実演もよくある。モーツァルトを深く知るきっかけとなる曲として長年聴いているファンも多いだろうし、この曲の謎に取り組み続ける研究者も多い。
こういう出る杭は握りやすくて良い。いつまでも愛していられる名曲だ。

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