クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

Monthly archive 6月, 2012
武満徹 映画音楽「夏の妹」:もうすぐ夏ですね

武満徹 映画音楽「夏の妹」:もうすぐ夏ですね

武満徹 映画音楽「夏の妹」 日本を代表する作曲家と言えば、間違いなく武満徹であろう。このブログで初めて取り上げることになるが、やはり日本人として、彼の話をするのは畏れ多い。僕なんかが軽々しく扱っていいのだろうか……なんて思う。 武満に対する理解が自分自身にどこまであるのかよくわかっていないので、ここはひとつ、最初の武満に関する記事は、ぐっとくだけて、武満の芸術音楽ではなく、実用音楽の方を、さらさら […]
ディーリアス 春初めてのカッコウの声を聴いて:ある境地から

ディーリアス 春初めてのカッコウの声を聴いて:ある境地から

ディーリアス 小管弦楽のための2つの小品より「春初めてのカッコウの声を聴いて」 フロリダ組曲以来となる、イギリスの作曲家ディーリアスの作品を取り上げよう。僕はプロフィールにも書いてあるとおり、英国のクラシック音楽が大好きなのだが、ディーリアスは英国作曲家としては異端に分類されることも多い作曲家だ。 異端と言われるということは、正統派がいるということだろうが、英国音楽史の中で正統派などと言えるのは一 […]
クライスラー ベートーヴェンの主題によるロンディーノ:クラシックになるということ

クライスラー ベートーヴェンの主題によるロンディーノ:クラシックになるということ

クライスラー ベートーヴェンの主題によるロンディーノ 以前にクライスラーについて書いたとき、また取り上げたいなどと書いてから、もう3年半近く経ってしまった。 今回取り上げるのは、「ベートーヴェンの主題によるロンディーノ」という、クライスラーの小品を解説する際には極めて中途半端で難しいものなのだが、これはある意味特異な作品であり、またかくのごとき小難しい事情を抜きにしても、美しく魅力的な小品である。 […]
グラス 弦楽四重奏曲第3番「MISHIMA」:ポスト・ミニマルの演奏意義

グラス 弦楽四重奏曲第3番「MISHIMA」:ポスト・ミニマルの演奏意義

グラス 弦楽四重奏曲第3番「MISHIMA」 フィリップ・グラスというと、ミニマルの代表的な作曲家のひとりだが、ここでミニマルを取り上げるというのは実は非常に珍しいことで、何を隠そう僕はミニマルというジャンルがあまり好きではない。偶然性の音楽も。ケージの記事を書いたが、そこでも批判的に書いたつもりだ。 聴くのはまだしも、演奏するのはもっと嫌だし、じゃあ演奏しないで聴けばいいのだが、さも堂々と芸術を […]
シマノフスキ 弦楽四重奏曲第2番:歪な愛の形

シマノフスキ 弦楽四重奏曲第2番:歪な愛の形

シマノフスキ 弦楽四重奏曲第2番 作品56 ポーランドの作曲家シマノフスキは、分類すれば後期ロマン派なのだろうが、ネオロマンティシズム風の音楽だけでなく、モダニズムに近いような変わった響きを用いる、実に面白い作風の作曲家である。 決してモダニズム寄りではないのだが、シマノフスキ独特の音はなんとも言いがたい魅力がある。そして、ポーランドの民族音楽からの影響もまた、シマノフスキの音楽の魅力をなす根底に […]
ゴルトマルク 序曲「イタリア」にて:“イタリア”、“ワグナー”、“ブラームス”

ゴルトマルク 序曲「イタリア」にて:“イタリア”、“ワグナー”、“ブラームス”

ゴルトマルク 序曲「イタリア」にて 作品49 カール・ゴルトマルクはロマン派の作曲家。ハンガリー出身のユダヤ人だが、音楽はウィーンに根付いていると言っていい。初期はハンガリーの子どもが歌うような民謡をもとにした音楽を作ったが、後期になると国民楽派のような音楽ではなく、古き良き伝統的なドイツロマン派の音楽を残した。特にオペラは名作として名高い。 ワーグナーの影響を受け、ウィーン初となるワグネリアン団 […]
デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」:「魔法」という美学

デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」:「魔法」という美学

デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」 先日、東京ディズニーランドで、シアター型のアトラクション、「ミッキーのフィルハーマジック」というものを見た。ディズニー関連の名曲を3D映像とともにメドレーで送るという内容だったのだが、そのシアターはさすがディズニーらしいこだわり、外観にはデュカスの「魔法使いの弟子」の楽譜がデザインされていた。 この曲はデュカスの代表作である。寡作家で知られるデュカスが、自ら厳選 […]