国立新美術館にて開催中の「シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―」に行ってきました。


正直、シュルレアリスムはそんなに好きな部類ではないのですが、まあせっかくなので見てみようかと。ブルトンの『シュルレアリスム宣言』は非常に興味深かったし、面白かったのですが、実際その絵を見るということになると、まあ古典的な名画なんかと比べて、見てて心地良いものではないですしね(笑)


シュルレアリスムとは何なのかというと、まあそのバチッとした定義は一言で説明できるようなものではないのですが、1924年のパリ、アンドレ・ブルトンによる『シュルレアリスム宣言』がその運動の発端とい言える、20世紀最大の芸術運動のことです。パンフレットには「偶然性、夢、幻想、神話、共同性などを鍵に、人間の無意識の世界の探求をおこない、日常的な現実を超えた新しい美と真実を発見し、生の変革を実現しようと試みるもの」だそうです。フロイトの精神分析も大いに影響していますね。


パンフでもメインを占めているルネ・マグリットの「秘密の分身」ですが、なんでしょうね。これはなかなか、感覚に訴えるものがありますね。中の黒い部分よりも、僕は特にこの「切り取られ方」が気になりますね。結構面白い切り取られ方してませんか?


全作品中で最も異彩を放っていたのはやはりダリでした。少なくとも僕にとってはそうでした。左は「不可視のライオン、馬、眠る女」、右は「ピアノに出現したレーニンの六つの幻想」です。たまたま僕の感覚に共鳴したといだけかもしれませんが、圧倒的に何か怪しいものを発していました。ダリ恐るべし。

 


ヴィクトル・ブローネルというアーティストは、あまり日本では有名じゃないようですが、印象深いものがたくさんありました。左は「欲望の解剖学」、右は「狼―テーブル」という作品です。左は欲望ということで、他の難解なシュルレアリスム作品に比べると実にわかりやすいですね。シリーズもので、似たようなものがいくつかありました。右のものは実物が展示されていましたが、こういうのは見ててもまあ面白いものです。


シュルレアリスムに興味がないことはないのですが、他に興味があるものと比べるとどうしても優先順位としては低くなります。ブルトンも読んじゃったし、もう沢山かな、なんて(笑) しかし、芸術の手法としてはなかなか楽しそうなものだとは思いますし、そうした試行錯誤を経て生まれた作品群を見れたのは良い体験にはなりました。


国立新美術館の試みには感心すべきものがあります。4月2日には親子向けイベント「しゅるれありすむを学ぼう」というけったいなイベントをやるそうです。僕は行きませんが、気になるといえば気になる(笑)また、ホームページを見てみたら、なんと作品の人気投票をやっていました。これも良い試みですね。古典絵画でこういうことをやるより、ある程度アグレッシブで気鋭の芸術でこそ意義があるものでしょう。どんどん盛り上げていただきたいものです。展覧会は5月9日までやっているようですので、お好きな方はぜひ。

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