結構前ですが、「フェルメール≪地理学者≫とオランダ・フランドル絵画展」という展覧会に行ってきました。
Bunkamura ザ・ミュージアムにて。いやはや本当に、フェルメールって素敵ですね。


こうやってポスターを見ると、「お、フェルメール展か~」なんて思いますよね。しかし、フェルメールの作品は1点のみでした。まあ、フェルメールは特に現存作品数も少ないですし、理解していますが(笑)そしてその1点がまたこの上なく素晴らしいので、もちろん行く価値はあるってもんです。


この展覧会のメインであるフェルメールの「地理学者」(1669年)は、他の絵画とは一線を画する、尋常ならぬ凄味がありました。17世紀、スペインから独立した新興国オランダは、海の覇権を握り、貿易大国となりました。航海に欠かせない「地理学」をテーマにしたこの作品からは、実に様々なものが見えてきます。


棚の上の地球儀は、当時のアムステルダムの代表的な地図製作者であるホンディス家によって作られたものです。インド洋が正面なのは当時のオランダの重要な商圏だったからです。壁に掛っているヨーロッパの海図、地理学者が手にするコンパスなどもですが、当時モデルのものが展示されていました。


上着が西洋っぽくないですね。これは「ヤンポス・ロック」(日本の着衣)と呼ばれるもので、交易によってオランダにもたらされた着物あるいはその模造品です。これはある種のステータス・シンボルだったそうです。壁の幅木にはフェルメールの故郷デルフトの特産物である青い絵付けの焼きタイルがはめ込まれています。机の上や椅子に設えられたゴブラン織りの豪華な布もまた、学者の裕福さを示しています。


地理学者の表情も、いかにも聡明で、何かを発見した瞬間をとらえているようです。そして窓から入る光。これは言うまでもないですが、フェルメールの絵画を見る眼福はここにあると言って良いでしょう。

 


左はルーベンスとヤン・ブックホルストの「竪琴を弾くダヴィデ王」、右はレンブラントの「サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ」。旧約聖書の有名なエピソードで、ダヴィデが精神を冒されたイスラエルのサウル王の前で竪琴を弾くと、サウル王は回復したというものがあります。サウル王亡き後、王位を継いだダヴィデは、竪琴の名手です。ルーベンスの方(と言ってもルーベンスは顔を描いただけ)も何とも言えない感慨がありますが、やはりレンブラントのものは光と影が絶妙ですね。

 


アールト・ファン・デル・ネールという画家の絵です。左が「漁船のある夜の運河」、右は「月明かりに照らされた船のある川」。こういう絵は好みですね。僕はターナーが好きなので、こういった雰囲気は大好物です。右の、光源が隠れているところなんか、良いですねぇ。ヤン・ファン・ホイエンという画家の絵も似たような感じで好みでした。


他にも、ディルク・ファン・バーブレン、ペトルス・ウィルベークなど、印象深かった画家もいたのですが、画像が見当たりませんでした。マニアックなオランダ絵画は見当たりませんね。僕はオランダ語もわからないし(笑)

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