東京都庭園美術館に行ってきました。この美術館は朝香宮邸として昭和8年に建てられた建物を、そのまんま美術館として公開したもので、1920年代から1930年代にかけてヨーロッパを席巻した装飾様式「アール・デコ」を現在に伝える建物です。広い西洋庭園と日本庭園があり、自然と美術品があわせて楽しめる美術館です。


マッキアイオーリとは、1850年代のイタリア・トスカーナ地方、イタリア統一運動に触発された若い芸術家たちが、当時フィレンツェにあった「カフェ・ミケランジェロ」に集い、芸術について熱く語り合っていたときのこと、ジョヴァンニ・ファットーリ、テレマコ・シニョリーニ、シルヴェストロ・レーガなど、「マッキア」(イタリア語で「斑点」のこと)を用いた描法を駆使した芸術家たちの呼び名です。


とにかく感動したのは、彼らの特徴でもある、「光」の用い方です。絵の中でこれほどまでに自然に、かつ効果的に「光」が用いられて描かれているのか!と本当に驚きました。その「光」の表現の極地として「マッキア」を駆使するようになったのですが、マッキアイオーリの画家たちは、その技法によってだけでなく、光によって見える自然・世界を本当に美しく描いています。ファットーリは自分たちの活動を振り返ってこう述べています。「果たして“マッキアイオーリ”とは何だったのか。それは、自然界に存在する全てである。光にさらされて立ち現われてくる形体の固体化である。そして今日、我々はその大きな影響があらゆる芸術表現に及んでいるのを見ることができる」


僕は特にシルヴェストロ・レーガに感嘆しました。彼の絵の持つ深みにもそうですが、何より僕が感じ入ったのは、彼の「ジュゼッペ・ガリヴァルディの肖像」です。表情を浮かび上がらせる、雲の隙間から差し込む光、それがちょうどこの日の空模様と同じで、僕はレーガの信じられない程生きた光の描き方を目の当たりにしたように思いました。

 


他の画家たちの絵も本当に美しく、「自然と光」の虜になったマッキアイオーリの画家たちには心から敬服しました。

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