クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

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ストラヴィンスキー イタリア組曲:極彩色で描き出す

ストラヴィンスキー イタリア組曲:極彩色で描き出す

ストラヴィンスキー イタリア組曲 この曲はストラヴィンスキーのバレエ音楽「プルチネルラ」(1925年作)から抜粋して、1933年に室内楽用に編曲されたものだ。編曲された組曲を「イタリア組曲」と呼ぶ。 元は40分ほどあるバレエのためのオーケストラ音楽だが、15分ほどの長さにまとめ、チェロとピアノ、ヴァイオリンとピアノなどなど、様々な編成で演奏される人気作である。 実は、僕は最初にこの曲に触れたのは、 […]
瀧廉太郎 憾:白鳥の無言歌

瀧廉太郎 憾:白鳥の無言歌

瀧廉太郎 憾 オリラジの中田敦彦が滝廉太郎にまつわる都市伝説をテレビで語った際に、この曲の存在がにわかに世に広まったという感じがする。まとめると以下のような内容だ。 瀧廉太郎は素晴らしい歌曲を残し、ドイツ留学中に若くして結核で夭逝した。しかし、実は瀧廉太郎は文部省に「消された」のである。文部省は瀧廉太郎の才能を妬み、歌曲を作曲者不明の唱歌としてパクって使うために結核に罹患させたのであり、瀧は世を恨 […]
シューマン 幻想曲 ハ長調:ファンタジーとは一体?

シューマン 幻想曲 ハ長調:ファンタジーとは一体?

シューマン 幻想曲 ハ長調 作品17 ドイツのボン市がベートーヴェン死後10年を記念した像を設立する計画を出したのが1835年。ベートーヴェンへ敬愛の念を抱いていたシューマンも賛同し、作品の収益を寄付する目的で「フロレスタンとオイゼビウスによる大ソナタ、ベートーヴェンの記念のためのオーボーレン 作品12」と題した曲を作ろうと取り掛かったのが1836年。結局これはいくつかの出版社から出版を断られてし […]
セヴラック セルダーニャ - 5つの絵画的練習曲:夢のように純粋に

セヴラック セルダーニャ – 5つの絵画的練習曲:夢のように純粋に

セヴラック セルダーニャ – 5つの絵画的練習曲 セヴラックについて書くのは2010年以来ということで、これはもう初めて取り上げるのと同じように書くべきなのではないかと思い、ちょっとプロフィール紹介も含めて書いてみよう。 ドビュッシーに「土の薫りのする素敵な音楽」と評価され、ダンディとマニャールに学び、アルベニスの助手を務めたフランスの作曲家……こう書いただけで、わかる人にはものすごく […]
モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番:子どもから大人まで

モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番:子どもから大人まで

モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330 人生いつどこで、どんなきっかけで曲の魅力に気付くのかなんてわからないものだ。 今までも何度となくモーツァルトのソナタ第10番K.330を聴いたことはあったが、録音で聴いただけで実演は未経験だった。しかし1月のガヴリリュクのリサイタルで、初めて実演に触れ、それはそれは驚くほどの演奏に、この曲はこんなに素晴らしい曲だったのかと改めて思い知らされ […]
バッハ イタリア協奏曲:ピアノがピアノを超えるとき

バッハ イタリア協奏曲:ピアノがピアノを超えるとき

バッハ イタリア協奏曲 BWV971 バッハのクラヴィーア練習曲集第2巻に収録されているこの曲は、「ゴルトベルク変奏曲」と並んで、おそらく最も人気の高いバッハのクラヴィーア作品(またはピアノ作品)に違いない。協奏曲と名が付いているが鍵盤楽器ソロの曲だ。少し楽曲について解説したら、僕はなぜこの曲がこんなに人気になったかについて語りたいと思う。 ちなみに「フランス風序曲」と併せて、「イタリア風& […]
ダンディ 弦楽四重奏曲第1番:トゥ・ワーグナー・ウィズ・フランク

ダンディ 弦楽四重奏曲第1番:トゥ・ワーグナー・ウィズ・フランク

ダンディ 弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 作品35 ダンディの最も有名な作品「フランス山人の歌による交響曲」でブログを更新したのが2009年6月。それから8年半が経ち、さすがに僕自身のクラシック音楽の知識や文章力も多少はアップしているので、ここらでひとつ、ダンディの音楽の良さを世に知らしめるのに一役買ってやろうと思うのだ(なんか偉そうだなあ)。これで2017年のブログ更新は最後になるかしら。今回は弦楽 […]
ロドリーゴ アンダルシア協奏曲:名演ライブ求む

ロドリーゴ アンダルシア協奏曲:名演ライブ求む

ロドリーゴ アンダルシア協奏曲 スペインの作曲家ロドリーゴ(1901-1999)の最も有名な作品は言うまでもなくギターとオーケストラのための「アランフェス協奏曲」(1939年)だが、似たようなギターのための協奏的作品は多く、アランフェス協奏曲の成功を皮切りに、ギターと管弦楽のための「ある貴紳のための幻想曲」(1954年) 、4台のギターと管弦楽のための「アンダルシア協奏曲」(1967年)、2台のギ […]
伊藤康英 吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」:受け継がれ、もとい受け継げ

伊藤康英 吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」:受け継がれ、もとい受け継げ

伊藤康英 吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」 てっきりこのブログではもう「ぐるりよざ」について紹介していた気になっていたが、なんと紹介していなかった。伊藤康英のぐるりよざを取り上げようと思っていて、ちょうど「津軽三味線協奏曲」の初演を聞いたので、そちらを取り上げたのだった。 11月11日に中世・ルネサンス音楽研究の第一人者で立教大学名誉教授の皆川達夫氏(90)が「かくれキリシタンの祈りの歌」と題し […]
シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」:真に輝くものは

シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」:真に輝くものは

シューベルト 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810「死と乙女」 何度かシューベルトの楽曲をこのブログで取り上げており、その時いつも言っているような気がするのは、シューベルトは基本的にシャイなので、本当に彼が言いたいことは色々あるだろうけれども、音楽ではその全てを語りきっていないということ。 だから前提として、この曲でもおそらくシューベルトは彼の本心をあからさまにさらけ出すような真似はしないし、当 […]
マルタン アイルランド民謡による三重奏曲:若さと民謡のダブルアタック

マルタン アイルランド民謡による三重奏曲:若さと民謡のダブルアタック

マルタン アイルランド民謡による三重奏曲 曲名だけで「これは絶対良い曲だ!」と確信していて、実演に触れて本当に素敵な曲だった!と感動した作品である。こちとら「リバーダンス」全盛期に青春時代を過ごした世代である。アイルランド音楽というのはそれだけで無条件で心躍るのだ。 フランク・マルタン(1890-1974)はスイスの作曲家。今回取り上げる「アイルランド民謡による三重奏曲」はピアノ、ヴァイオリン、チ […]
マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調:カヴァレリアの呪縛、の前に……

マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調:カヴァレリアの呪縛、の前に……

マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調 カヴァレリア・ルスティカーナについて記事を書いたのが2008年なので、10年近く空けて書くことになる。僕もまさかここにマスカーニの、それもオペラでなくてピアノ作品について取り上げて書くことになるとは夢にも思わなかったが、ブログ更新頻度が激減している状況にもかかわらず、ぜひとも更新したい書きたい多くの人に知らせたい!と思わせるだけの名曲であること […]