クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、音楽・芸術・哲学・文学・美学などの話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会の感想、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

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【名盤への勧誘】プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」 グレン・グールド(p) (1967年6,7月)

【名盤への勧誘】プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」 グレン・グールド(p) (1967年6,7月)

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ヒンデミット トゥッティフェントヒェン組曲:きれいな音だけ詰め合わせ

ヒンデミット トゥッティフェントヒェン組曲:きれいな音だけ詰め合わせ

ヒンデミット トゥッティフェントヒェン組曲 急に初夏めいてきたこの頃ですが、全く季節外れのクリスマス音楽をお送りしましょう。ヒンデミットによる子どものための劇伴音楽、「トゥッティフェントヒェン組曲」を紹介したい。 1922年、クリスマスの児童劇のために書かれた音楽であり、組曲は馴染みやすい旋律ばかりの11曲がどれも1分~2,3分の長さで、愛らしい小品集のような音楽だ。 子ども向けと侮れないのはさす […]
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」:荒れた大地を駆ける何か

プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」:荒れた大地を駆ける何か

プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 作品83「戦争ソナタ」 今をときめくピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワが2014年にフランスのトゥールで行ったリサイタルで、シューベルトのD946、プロコフィエフのソナタ第7番、ショパンの24の前奏曲を取り上げた(音盤にもなっている)。この3曲を取り上げた理由として、プロコフィエフの亡命の旅を挙げている。プロコフィエフは渡米する際に一旦日本に立ち寄 […]
バルトーク ルーマニア民俗舞曲:演奏家の領分

バルトーク ルーマニア民俗舞曲:演奏家の領分

バルトーク ルーマニア民俗舞曲 Sz.56 4月16日、ピアニストのイェルク・デームス氏が亡くなった。パウル・バドゥラ=スコダ、フリードリヒ・グルダとともに「ウィーン三羽烏」と呼ばれ人気だったピアニストだ。親日家だったため日本のクラシック・ファンの間でも大きなニュースとなり、SNSで様々な思い出話が繰り広げられていた。 そのときに僕が見かけたデームス氏の演奏に対する感想で「デームス氏の“訛りのある […]
オッフェンバック チェロ協奏曲「軍隊風」:遅れてきたルーキー

オッフェンバック チェロ協奏曲「軍隊風」:遅れてきたルーキー

オッフェンバック チェロ協奏曲「軍隊風」 初めて聴いたのは割と最近で、「おお、すごく良い曲じゃん!」と思ったのと同時に「え!40分超えるの!」と驚いた。ドヴォルザークやエルガーの協奏曲に匹敵する大作である。これをあの「天国や地獄」などの軽快な音楽で有名なオッフェンバックが……?と思ったが、よく考えればオペレッタだって短くても小一時間あるものだし、驚くような話ではない。それに長いとはいえ、ドヴォルザ […]
ジェイコブ ウィリアム・バード組曲:偉大なる編曲家

ジェイコブ ウィリアム・バード組曲:偉大なる編曲家

ジェイコブ ウィリアム・バード組曲 先日の某アニメ音楽のオーケストラコンサートで編曲に対する感想も書いたのだが、素晴らしいアレンジとはどういうものかを味わえる名曲を取り上げよう。 このブログでも何度か名前を出している英国の作曲家、いや敬意をもって「編曲家」と呼びたい、ゴードン・ジェイコブ(1895-1984)の最も有名な作品、「ウィリアム・バード組曲」である。ジェイコブは王立音楽院でスタンフォード […]
シューマン ピアノ協奏曲 イ短調:青みを帯びた川のうねり

シューマン ピアノ協奏曲 イ短調:青みを帯びた川のうねり

シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 以前、芸大生が書いた「東京藝術大学の学生生活は本当に病むから気をつけた方がいい」という記事が話題になったが、病みアーティスト界のレジェンドであるシューマンさんの伝記でも読んだら少しは気持ちも晴れるかしら。逆効果かもしれないが。 ロマン派ピアノ協奏曲の最大の傑作、シューマンのピアノ協奏曲イ短調も、1楽章は苦労の末にクララと結婚したばかりの頃(1841年)に […]
ヴュストホフ スヘルデ川:なんでも屋さんのオーケストラ曲

ヴュストホフ スヘルデ川:なんでも屋さんのオーケストラ曲

ヴュストホフ スヘルデ川 以前ラジオでレキシか誰かがリクエストナンバーの米津玄師のlemonについて「レモンという曲にハズレ無し!」と言って笑いを取っていた。もちろんこのコメントを真剣に受け止める必要はないが、僕は随分以前から言っている「川をテーマにしたクラシックにハズレ無し」というのは、そろそろ世間的にも常識になって欲しいと思っている。 まあ冗談はともかく、このブログでも美しく青きドナウやシュー […]
シマノフスキ スターバト・マーテル:名曲を語るのは難しい

シマノフスキ スターバト・マーテル:名曲を語るのは難しい

シマノフスキ スターバト・マーテル 作品53 シマノフスキを取り上げるのは7年程前に「弦楽四重奏曲第2番」を書いて以来。こちらは1927年の作で、シマノフスキの3つの創作期の内の一番最後、第三期に位置づけられる作品だ。 ということで、せっかくなら第一期や第二期の曲を書いたら良いのに、またしても第三期の曲だ。クラシック鑑賞を趣味にしてそれなりに経つし、シマノフスキ作品もそれなりに聴いてきたが、なかな […]
ロバート・ベネット 祝賀交響曲「スティーブン・コリンズ・フォスター」:全国のフォスター・ファン必聴の曲!

ロバート・ベネット 祝賀交響曲「スティーブン・コリンズ・フォスター」:全国のフォスター・ファン必聴の曲!

ロバート・ラッセル・ベネット 祝賀交響曲「スティーブン・コリンズ・フォスター」 まずは基礎知識からいきましょう。ベネットという姓の作曲家は非常に多いため「ベネット」だけの表記は推奨されない。なので名をイニシャルで付けるのだが、ロバート・ラッセル・ベネットとリチャード・ロドニー・ベネットという、どちらもR・R・ベネットという表記になる作曲家がいるため、この表記もあまりよろしくない。よってロバート・ベ […]
シベリウス 樹の組曲:樹が語りかけます

シベリウス 樹の組曲:樹が語りかけます

シベリウス 樹の組曲(5つの小品 作品75) かつてこの曲の録音を含む音盤の解説にはよく常套句のように「シベリウスの音楽を議論する際、ピアノ作品は重要視されてこなかった」とか「シベリウスは自身がヴァイオリニストでありピアノ作品の評価は作曲家自身でも誇れるものではなかった」という文言が使われていた。そういう事実は事実として、今はどうか。正直、今回取り上げる「樹の組曲」だけでも、全部追うのも大変なくら […]
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」:もっともっと!

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」:もっともっと!

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 作品59-1「ラズモフスキー第1番」 古典派カルテットのすべてが詰まっているとも言える、ベートーヴェンの「ラズモフスキー・セット」の3曲の内、まず第1番を取り上げよう。 副題の通り、作品59-1から59-3までの3曲はベートーヴェンのパトロンで、また自身も音楽家であるウィーン駐在ロシア外交官、ラズモフスキー伯爵に献呈されたものだ。 この「献呈」とはどうい […]