クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

ベートーヴェン
【名盤への勧誘】ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 レオン・フライシャー(p)、ジョージ・セル/クリーヴランド管(1961年3月)

【名盤への勧誘】ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 レオン・フライシャー(p)、ジョージ・セル/クリーヴランド管(1961年3月)

【名盤への勧誘】ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 レオン・フライシャー(p)、ジョージ・セル/クリーヴランド管(1961年3月) 【名盤への勧誘】と冠して、今まで珠玉の名曲を取り上げてきたこのブログで、今度からは名盤・名演についてのエッセイも投稿していこう。ということで、1回目から、前書いた文章の焼き直しという手抜きっぷりだが、そこはご容赦願いたい。どれが名盤かなんて […]
ベートーヴェン 交響曲第2番:古典派の臨界点

ベートーヴェン 交響曲第2番:古典派の臨界点

ベートーヴェン 交響曲第2番 ニ長調 作品36 かつてこのブログで交響曲第3番「英雄」を取り上げた際、「英雄」は交響曲の革命児だと書いた。ということは、その1つ前の第2番は革命を起こす直前、いわばアンシャン・レジームの真っ只中にいるわけだ。ものは言い様かもしれないが、確かにこの作品には熟れに熟れた古典派交響曲の魅力が詰まっている。 ハイドンやモーツァルトの交響曲の様式から脱却してオリジナリティを表 […]
ベートーヴェン チェロ・ソナタ第3番:傑作の森の可憐な花2

ベートーヴェン チェロ・ソナタ第3番:傑作の森の可憐な花2

ベートーヴェン チェロ・ソナタ第3番 イ長調 作品69 ベートーヴェン研究の権威バリー・クーパー曰わく、このチェロ・ソナタ第3番は、「間違いなく、グライヒェンシュタイン男爵がベートーヴェンに今まで与えてきた全ての実質的援助に対する、感謝の意を込めた」作品だという。この作品が「感謝の調べ」であるという確たる証拠はないのだが、クーパーも言及しているように、少なからずそういう性質を帯びている楽曲であるこ […]
ベートーヴェン 交響曲第7番:交響曲の真価を問う

ベートーヴェン 交響曲第7番:交響曲の真価を問う

ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調 作品92 もし、単純にCDをかけて「聴く」という点だけで言えば、ベートーヴェンの交響曲第7番は、ベートーヴェンのいわゆる「ベートーヴェンらしさ」を最も感じることのできる作品だと思う。もちろん、どの録音でもそうだ、とは言えない。しかし、いわゆる「ベートーヴェンらしさ」というものが何なのか、それは例えば彼の熱情ソナタを弾いたとき、あるいはヴァイオリン・ソナタを弾い […]
ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第5番「幽霊」:傑作の森の可憐な花

ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第5番「幽霊」:傑作の森の可憐な花

ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第5番 ニ長調 作品70-1「幽霊」 ベートーヴェンのピアノ三重奏曲で有名なものは、今回紹介する「幽霊」と、「大公トリオ」として知られる第7番であるが、ポピュラーでないものを数えると相当数あり、しかも、彼の作曲人生の初期から後期まで通じて、かなり幅広い時期に作曲している。 この第5番「幽霊」は1808年に作曲された。ちょうどこの時期というのは、ロマン・ロランをして「傑 […]
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」:疾風怒濤の霊魂

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」:疾風怒濤の霊魂

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 作品31-2「テンペスト」 ベートーヴェンを弾くのには並大抵ならぬ精神力が必要ということを、僕はこの曲で体感して、それ以降ベートーヴェンを弾くのは疲れるから敬遠している。 なんだか情けないような話だが、あまり軽い気持ちでベートーヴェンに当たるのは申し訳ないように思うようになった。他の作曲家の曲でもそうかもしれないが、ベートーヴェンは他の作曲家と比べて […]
ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」:交響曲の革命児

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」:交響曲の革命児

ベートーヴェン 交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」 ベートーヴェンは第九で合唱・独唱を組み込んだ大規模な交響曲を構想し、交響曲の革新を試みているが、彼のあらゆる交響曲は音楽の革新の歴史を作りだしたと言っても過言ではない。 俗に「ベートーヴェンの交響曲は奇数番号が名作」などと言われるが、こと革新性においては奇数番号の作品に一目おくべきだろう。 大雑把に言えば、第1番はモーツァルトやハイドンとい […]
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」:ともあれ10番

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」:ともあれ10番

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」 変ホ長調 作品74 世に数多ある弦楽四重奏曲のうち、ベートーヴェンのものは極めて重要で、またベートーヴェン好きな人でも、「弦四好き!」という人でないと案外取っ付きにくかったりする。 というのも、たった4人の奏者による音楽なのに、交響曲並みに難解な音楽とされているからだ。確かに簡単な音楽ではない。ということで、敢えて難しい話から始めよう。 ベートーヴェ […]
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」:わたしの心を

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」:わたしの心を

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」作品13 三大ピアノソナタの1つとして挙げられる第8番「悲愴」は、ベートーヴェン初期の傑作である。 1798年、彼が27歳のときの作品で、後期のようなベートーヴェンの音楽の深い森のような精神性はないが、それでもこの曲の魅力は後期の作品群と劣らない。 むしろ若かりし頃ならではのベートーヴェンの良さがある。 一般的な3楽章構成で、どの楽章も非常に有名だ。 特に […]
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」:すべてを含む恒久性

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」:すべてを含む恒久性

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」 ベートーヴェンの「運命」と同時に初演され、そのときはこちらが第5番だった。 「運命」もそうだが、初演はあまり芳しいものではなかったようだが、「田園」も「運命」と並んで、現代まで愛され続けている名曲である。 この「田園(Pastorale)」という副題は、「運命」と違って、ベートーヴェン自身が付けたものであり、つまりこちらはれっきとした標題音楽なの […]
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」:無限の解放へ

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」:無限の解放へ

ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調「運命」作品67 僕が初めて「運命」を聴いたのは、確か小学生のときの「名曲アルバム」のビデオか何かで、そのときの印象は、「なかなか終わらない曲だなあ」というものだったと思う。 なかなか終わらないというのは、曲が長いことではなくて、4楽章の途中で盛り上がってきて、いかにも終わりそうなところで、実はまだ終わらない、ということだ。 ファゴットソロ、ホルンソロに入る直前の […]
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」:永遠の一番

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」:永遠の一番

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 ベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲のうち最も有名かつ芸術的に成熟した作品。 ルードルフ大公に献げられたこの曲は、当時のフランス軍によってウィーンが占領されていたにもかかわらず、非常に堂々とした、力強いもので、まさに「皇帝」を思わせる(ただしこの副題はベートーヴェンによって付けられたものではない)。 僕が初めてこれを聴いたとき、「ああ、 […]