クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、芸術について考えたこと、哲学・文学・美学などのちょっとアカデミックな話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会、うちの猫ちゃんのことやクラシックCD聴き比べ、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

モーツァルト
モーツァルト 弦楽四重奏曲第8番:天才の軌跡

モーツァルト 弦楽四重奏曲第8番:天才の軌跡

モーツァルト 弦楽四重奏曲第8番 ヘ長調 K.168 天才モーツァルトが17歳のときの作品であり、若干17歳にしてこのクオリティというところも驚きだが、それ以上に、モーツァルトが芸術的な高みを目指して模索したその轍のようなものが見えるという点で、実に興味深い、驚嘆すべき作品と言える。 モーツァルトの弦楽四重奏曲というと、「狩」などを含む「ハイドン・セット」の6曲や後期の傑作「プロシャ王」の3曲など […]
モーツァルト 交響曲第25番:高貴さと荒々しさ

モーツァルト 交響曲第25番:高貴さと荒々しさ

モーツァルト 交響曲第25番 ト短調 K.183 かつて取り上げたモーツァルトの交響曲は38番の「プラハ」であり、その理由は、数多くあるモーツァルトの交響曲のうち「プラハ」には“3楽章構成”という非常に珍しい特徴がるからだった。 では、次に取り上げるこの第25番はどうかというと、これにもまた大変わかりやすい特徴がある。それは、ほとんどの交響曲が長調であるのに対して、“短調なのは25番と40番だけ” […]
モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番「狩」:美の展開と完結

モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番「狩」:美の展開と完結

モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458「狩」 モーツァルトの弦楽四重奏曲の中で最もポピュラーな作品であるこの「狩」は、聴く者の気分を高めるような冒頭の主題が印象的な作品だ。 この主題は、1783年に作曲されてから多くの人を惹きつけ虜にしてきたのだろう。狩りの際に鳴らされるラッパの信号に聞こえることから、「狩」という愛称で親しまれている。 テレビか何かのBGMとしてもよく用いられる […]
モーツァルト 交響曲第38番「プラハ」:出る杭は愛される

モーツァルト 交響曲第38番「プラハ」:出る杭は愛される

モーツァルト 交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」 モーツァルト好きは定期的にモーツァルトの話をしないと気がすまないので、必然的にこのブログで取り上げる回数も多くなる。 一番多いのではないかと思っていたら、なんとシューマンとベートーヴェンの方が多いではないか。これではモーツァルト・ファンの名折れだと、自分を奮い立たせるためにもモーツァルトの話をすることにした。 僕は「好きな作曲家は?」と訊 […]
モーツァルト ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」:序奏の美

モーツァルト ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」:序奏の美

モーツァルト ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」 今回はちょっと攻めて書いてみようと思い、変なことを書いても許してくれるであろうモーツァルトさんにしてみたのだ。 ベートーヴェンやブラームスについて適当なことを書いてしまうと、なんだか厳つい霊の祟りに遭いそうで恐ろしいが、モーツァルトはもともと適当な(しかし天才な)男なので、きっと大丈夫だろう。 モーツァルトのピアノ協奏曲は第1番か […]
モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調:ピアニストに、ぜひ

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調:ピアニストに、ぜひ

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調 K.423 モーツァルトのピアノ・ソナタを聴いたことがある人は多いと思うが、この二重奏はまさしく「弦楽版ピアノ・ソナタ」と呼ぶのに相応しい作品だ。 ピアノ・ソナタは、ヴァイオリン・ソナタやヴィオラ・ソナタのようなピアノと弦楽器という異なる楽器の組み合わせによるソナタではない分、統一感がある。 また、音域の広さもあり、ピアノ1つであっても […]
モーツァルト 歌劇「魔笛」:歴史的ポップスとライヴ

モーツァルト 歌劇「魔笛」:歴史的ポップスとライヴ

モーツァルト 歌劇「魔笛」 「ボクノオンガク」記念すべき第100回目のエントリー、歌劇「魔笛」は、言わずと知れたモーツァルトの残した最後のオペラである。 モーツァルトの亡くなった1791年の作品で、晩年金策に明け暮れていた彼に、劇団の興行師で自身も俳優のシカネーダーが、自身の台本で彼に作曲を依頼したものだ。 モーツァルトとシカネーダーはザルツブルク時代の友人であり、宮廷で演ぜられるヘンデルらのイタ […]
モーツァルト カノン「おれの尻を舐めろ」:芸術は勉強だ

モーツァルト カノン「おれの尻を舐めろ」:芸術は勉強だ

モーツァルト カノン「おれの尻を舐めろ」K.231 (382c) 少なくとも星空をバックに語る曲ではないだろうが、まああんまり堅い話ばかりでもつまらないだろうしね。 モーツァルトがこういうくだらないことが好きだというのはよく知られたところだし、時々この曲も雑学系の何かで取り上げられたりするので、まあ知名度はある。 男声6人のためのカノンで、男6人が「Leck mich im Arsch(おれの尻を […]
モーツァルト セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」:音楽の天使

モーツァルト セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」:音楽の天使

モーツァルト セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 ト長調 K.525 「小夜曲」という意味のこの曲は、モーツァルトの楽曲の中でも最も有名なものの1つ。 それだけに、モーツァルトらしさ、特に「美」の点においては、最高に表現されているように思える。 モーツァルトについて僕が語るという行為は、非常におこがましいものだろう。 モーツァルトの試行錯誤ではなく、神が(あるいはその使者が)彼 […]