ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」


今年の年末の第九に選んだのはミハイロフスキー劇場管。理由はというと、その日しか予定が空いている日がなかったからです。チケット代もそれほど高くなく、2階席の一番前のど真ん中という良席が確保できたし、演奏も熱の込められた良いコンサートだったと思います。


【運命&第九 ミハイロフスキー劇場管弦楽団】
(2014年12月29日、東京オペラシティコンサートホール)
べートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」
指揮:ミハイル・タタルニコフ
ソプラノ:マリア・リトケ
メゾソプラノ:オレーシャ・ペトロワ
テノール:フェドール・アタスケヴィッチ
バス:ユーリィ・ヴラソフ
合唱:志おん混声合唱団
合唱指揮:辻志朗

IslBG


プロコフィエフの「戦争と平和」やショスタコーヴィチの「鼻」、「ムツェンスク郡のマクベス夫人」などを初演した劇場として知られるミハイロフスキー劇場だそうで、演奏は初めて聴きます。運命と第九と一度に聴くのは体力も要りますが、運命が終わってみれば、いかにもロシアのオーケストラらしいゾクゾクする弦の音に、咆哮するホルン、メリハリの効いたドラマチックなタタルニコフの音楽作り、満足感も大きいです。クライマックスには他のどの楽器よりも大きな音で炸裂するティンパニ。年末のお祭りイベントにはこれくらいやった方がいいんです。


第九も期待通りの、「ザ・年末の第九」というような、「燃え盛る熱狂の感動」というキャッチでも付けようかといったところです。こういうスマートでない第九は、長年続く年末の第九商戦に食傷気味の人にはもうウンザリなのかもしれませんが、そんなのは知ったこっちゃありません。逆に言えばこういうコテコテの第九があるおかげで、近年のスマートな第九が初めて意味を成す訳です。ノリントンやデ・ワールトやロトがN響と年末にやった「新しい光」を照射した第九だって、そういう音楽のアンチテーゼという点を拾わなければ何になりましょう。


それでも、運命も含めて、アゴーギグなんかも工夫しているような点が見られましたし、タタルニコフのやりたいことが明確にわかりやすく伝わる良い演奏でした。気合いと根性でグイグイ行くような単なる体育会系のノリではく、ちゃんと実力のあるオーケストラをしっかりとフル稼働させることでエネルギーを生み出す演奏。タタルニコフには、ポスト・ゲルギエフとして期待したいですね。ダンディだし、カッコイイですしね。


コンサート後、久しぶりにオペラシティのエクセルシオールでコーヒーを飲んだのですが、ここのエクセルシオールはこんな年末でも勉強している学生さんがいっぱいいるんですね。殊勝なことです。日本の未来は明るいな。

ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻] ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻]
ヘンゲン,ホップ,シュヴァルツコップ,エーデルマン,フルトヴェングラー(ウィルヘルム),バイロイト祝祭管弦楽団

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