ヴェルディ : オテッロ (Verdi : Otello / Riccardo Muti , Chicago Symphony Orchestra , Aleksandrs Antonenko , Krassimira Stoyanova , Carlo Guelfi) [2SACD Hybrid] [輸入盤]


ムーティ&シカゴが来ると聞いて、おおっと思い見てみれば、これはこれは、ぶったまげるほどのチケット代。もっとも、彼らが良いコンビであることは前々からわかっていますし、よほどでなければ良い演奏に触れられるでしょうから、価値はあるんでしょうが。それにしてもねえ。まあボヤキはともかく、ムーティ/シカゴと言えば皆様は何を思い浮かべますか?シューベルトのファンにはありがたい、堅実なオケ曲を提供してくれる同コンビ。ヴェルディならオテロはもちろん2013年のマクベスバレエ音楽。ブルックナーやワーグナーも良かったですね。ピアノ好きが歓喜したブッフビンダーとのベト4番。あ、かつてロ短調ミサもやりましたね、あれも良かった。ショーソン推しの僕としては、2018年に愛と海の詩を取り上げてくれたのも嬉しかったなあ。あとソッリマ、ヒグドンの協奏曲も……と名演については枚挙にいとまがないのです。


【ムーティ指揮シカゴ交響楽団来日公演】
(2019年2月2日、東京文化会館大ホール)
ヴェルディ レクイエム
 ソプラノ:ヴィットリア・イェオ
 メゾ・ソプラノ:ダニエラ・バルチェッローナ
 テノール:フランチェスコ・メーリ
 バス:ディミトリ・ベロセルスキー
 合唱:東京オペラシンガース
 指揮:リッカルド・ムーティ
 管弦楽:シカゴ交響楽団


いやあ、ちょっとすご過ぎますね。すごいからすごいとしか言い様がない。指揮、オケ、歌手、合唱、全部すごい。うますぎる。こんだけ完璧な演奏だと、もうチケット代くらいしかケチ付けられないのもしかたないでしょ(笑) やはりオケは非常に上手い。人数の割には、強靭な東京オペラシンガーズの大所帯に一切負けない音量、さすが。ブラスはもちろん余裕を感じる上手さ、トロンボーンが揃ってハゲてるのも達人の証ってやつです。ファゴットがまた上手い。すんばらしい。バスドラ両手で打ち鳴らす女性パーカショニストもといバスドラマーの方、大拍手です。ティンパニがかすむね!


歌手も揃って上手い。テノールのメーリ、素晴らしい。ムーティとシカゴの音楽に、そしてヴェルディの音楽によく合う雰囲気でしたね。あとソプラノのイェオ、個人的にはあまり好きなタイプのソプラノではなかったんですが、リベラ・メ入ってからあれだけ抜けて響く声なら誰も文句つけられないでしょ。うーん、すごい。東京オペラシンガーズは常に上手いので全く心配していないんですが、やはり圧倒的。そりゃムーティもご贔屓にするわ。何度も讃え、固く固く握手をしていました。


素晴らしい公演には違いない、その上でまた言いますが、おたくさんのチケット代の設定。他の招聘元、例えばキャンセルになったアバド&LFOも、足元見てるなあと思いましたがね、仮にもおたくさんは公益のための財団法人なわけで。という声は別に僕だけの意見ではなく予てから各所であるんですが、かつて某偉い専務理事様が、オペラの引越公演が高騰するのはこれこれこういう理由がある訳でありますと何だかんだご立派なご高説を、言い訳がましく書いてらしたんですが、なるほど海外のオケやオペラを呼ぶにはお金がかかりましょう、ご苦労さまです。ぜひ、この公益財団法人の役員の方々には、今後とも高い高ーい役員報酬を貰いつつ、高い高ーいチケット代をふんだくり、舞台芸術の振興ならびに若い世代の観客を育成するその崇高な理念の実現に尽力していただきたいものです。若くて金持ちのクラシックファンやオペラファンが今後ますます増えることを、貧乏なおじさんである僕も陰ながら応援しております。

ヴェルディ:レクイエム
ヴェルディ:レクイエム

posted with amazlet at 19.02.04
ムーティ/シカゴ交響楽団、フリットリ(S)ほか オーケストラ新定番名盤50
キングレコード (2018-10-24)
売り上げランキング: 280