2月19日にサントリーホールで開催された、大阪フィルハーモニー交響楽団の第49回東京定期演奏会に行って来ました。曲目は、
・ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調「田園」 作品68
・ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」
指揮は大植英次さんでした。今期で大フィルの音楽監督としての任期を終える大植さんの、大フィルとの最後のステージで、このプログラムは、かつてミネソタ響の来日公演の際に用意していたものだったのですが、9・11で実現出来なかったプロだとのことです。気合が入っているのは、大植さんの背中から、全身から、尋常でないほど伝わってきました。
この日は僕個人的に、どういうわけか、「美しいものを見るとその後面妖なものがくる」というのがお決まりになってしまうような日でした。まさしく、田園からの春祭はその通りでしたね。そんな日は、人生はそんなものかな、なんて思いつつ、田園も春祭もどちらも人が自然と直接向きあおうとしている作品である、というパンフレットの一言を思い出しました。そのアプローチは違えど、大植さんと大フィルが、精魂込めて自然・音楽に向かっていたということがびりびりと伝わる演奏でした。
最後といっても、大植さんは音楽監督から桂冠指揮者になり、7月には桂冠指揮者として初の大フィルとの共演があります。それでも、やはり愛された指揮者なんでしょうね。彼の立ち居振る舞いから伝わるもの、多くの熱狂的なファンの様子、それらは感無量でした。ここ最近のコンサートの中で一番長い拍手でしたね。この素晴らしい瞬間に、このホールにいることができたこと、それは一クラシックファンとしては幸運なことです。
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Firebird Suite / Song of the Nightingale Igor Stravinsky,Eiji Oue,Minnesota Orchestra Reference Recordings |

都内在住のクラシック・ファンです。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、つまりひたすら聴くだけ。演奏することにはほぼ興味・情熱はありませんが、それでもときどきピアノを弾いたり、バンドでドラムを叩いたりシンセサイザーを演奏したり、あるいは作曲・編曲をしたりします。more