東浦亜希子 ピアノリサイタル

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シューマン: 幻想曲 ハ長調 Op.17/ヘンレ社/原典版


シューマンで博士号を取得した東浦亜希子さんのリサイタルに来ました。幻想曲ファンとしては気になるところです。アフィニス、来たのはなんと2012年以来、7年ぶり……。


【東浦亜希子 ピアノリサイタル】
(2019年6月23日、JTアートホール アフィニス)
クレメンティ:ピアノ・ソナタ 嬰ヘ短調 作品25-5
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト短調 作品19「幻想ソナタ」
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番 作品53
シューマン:幻想曲 ハ長調 作品17
アンコール ショパン:12の練習曲 作品25 第6番、シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 作品6 第14番


クレメンティのソナタが演目に上がるなんて珍しいですね。子どもの頃クレメンティ弾きましたよ、懐かしい名前です。クレメンティについては、モーツァルトが批判的に書いたものが残っており、そのせいで評価されていないようなんですが、ベートーヴェンなんかは高く評価していたそうです。パンフレットに書いてありました。確かに、いかにもイタリアンな、技巧的なパッセージなんかも見られて、良い曲ですね。でもそれ以上のものは、僕の足らない頭では何も感じられませんでした。こういう曲もあるんだな、くらい。


スクリャービンのピアノ・ソナタは全てが名曲と言ってもいいくらいですし、僕も3番はこのブログで書きましたが、2番も良いですし、5番は言わずもがな。東浦さんのピアノも安定していて、とても素敵でした。クレメンティが噛ませ犬なんじゃないかってくらい。2番の連綿と歌い続けるところ、5番の速いパッセージも、聴かせますね。満足です。


期待のシューマン、なるほど、さすがって感じでした。いやー、良かったですよ。統一された、詩的な世界観が完成されていました。シューマンはこういう、徹底してロマン的世界観に浸れる演奏が、やっぱりスタンダードとしてあるべきですよね、と、聴きながらかってに「うんうん」と頷いていました。別に僕は弾けやしないんですが(笑) 音色も美しく統一されていましたが、1楽章の最後はいっそう輝いていましたね。今まで心の中に在った、音が、すっと天へ飛んでいました。あれは良かった……。そして2楽章、安定したリズム感、ここまでリズムをキープするのかと、マーチなのかと、恐れ入りました。遊びまくるんじゃなくて、こういう真面目な演奏好きな人、結構いそうですよね。僕も好きですよ。この真面目なリズムとテンポが産むもの、生む価値ってのは確実にありますよ。それだけに最後の最後でちょっと崩れちゃったのが残念でしたが、表現は伝わったので楽しめました。3楽章は最高です。満喫、満喫。またの機会があれば、東浦さんのシューマン、ぜひ聴きたいですね。

シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集、幻想曲
内田光子
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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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