ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013の感想、後半戦です。


ロドリーゴ:ある貴紳のための幻想曲
ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」
アンコール ソレール:ピアノ・ソナタ第84番 ニ長調
【演奏】村治佳織 (ギター)、ルイス・フェルナンド・ペレス (ピアノ)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ジャン=ジャック・カントロフ (指揮)


村治さんのギターは今回のメインディッシュのひとつとも言えるほど、僕にとっては楽しみな公演でした。やはり村治さんは素晴らしい。ロドリーゴのアランフェスも好きですが、ある貴紳のための幻想曲もとっても素敵な曲で、他のオーケストラの公演とはガラッと空気が変わり、スペインの田舎の明るい雰囲気や、祭り、港、海、太陽など、僕には様々な明るい風景が思い浮かんできました。ファリャのスペインの庭の夜も、これも結構不思議な曲なんですが、ピアノのペレスさんのパワフルで情熱的な演奏に目を奪われてしまいました。ペレスさんのテクニックはすごいですね! アンコールの曲もサラッと爽やか。少し異色な公演でしたが、こういうのがあるとまた色々聴く楽しみも増すというものです。

 


ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ラヴェル:ラ・ヴァルス
アンコール ラヴェル:ボレロ(指揮:佐渡裕)
【演奏】小山実稚恵 (ピアノ)、ラムルー管弦楽団、フェイサル・カルイ (指揮)


1日目に引き続いて、同じようなラヴェルプログラム。違うのはピアノ協奏曲が入っていることですね。ピアノ協奏曲が楽しみでこの公演を取ったのに、肝心のピアノ協奏曲は微妙でがっかり。小山さんのピアノが、弱音では何度も精彩を欠いていましたし、オケとの息もいまいちあっていないように聴こえました。ピアノだけ気合が空回りしているような。まあ、他の来日ピアニストと比較してしまうとあれなんですが……。小山さんは一流のピアニストだと思いますが、ラムルー管とのラヴェルはちょっと残念。パヴァーヌは一日目のものより幾分柔らかい音になっていて素晴らしかったですね。ただ、ラ・ヴァルスは1日目と比較してだいぶ荒れて、大味になっていましたね。カルイさんもセーブしようと奮闘していたように見えました。それで少し残念だなあと思っていると、終演後にルネ・マルタンが出てきて、サプライズゲストを紹介。なんとラムルー管の前任である佐渡裕さんが登場。これには会場が大いに沸きました。佐渡さんは日本ではとっても人気の指揮者ですし、LFJに来た多くのクラシック初心者の人も喜んでいたんじゃないでしょうか。サプライズでいくらでも海外の素晴らしいアーティストを呼べたと思うんですが、LFJの客層から言って、これほど素晴らしいサプライズはなかったんじゃないかなーと思います。佐渡裕指揮のボレロで、非常に良いムードで公演を終えていました。

 


デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
ラヴェル:左手のための協奏曲
ラヴェル:ボレロ
【演奏】マリウシュ・ヴィルチンスキ (ライブ・ドローイング)、ボリス・ベレゾフスキー (ピアノ)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ジャン=ジャック・カントロフ (指揮)


ベレゾフスキーの左手がこんなに格安で聴ける! もうそれだけで十分です。最後の公演、本当に素晴らしかった。カントロフ/シンフォニア・ヴァルソヴィアは非常に明快でクリアーな音楽作りをしてくるので、まあそれがちょっと物足りないように感じることもあるんですが(チャイコとか)、それにしても音が良い! 読響のマホデシと比較してしまいましたが、多少の泥臭さもあった読響のデュカスとは打って変わって、こんなに澄んでいて透明感のあるデュカスなのか、と感動しました。アンサンブルの多少の乱れなんてどうってことないです。ラヴェルの左手も同様。これほどクリアーな左手なんて初めてです。結構ドロドロした曲で、そこがまた魅力だと思っていたんですが、ベレゾフスキーも圧倒的にパワフルで熱い演奏で、全体としてはちょっと汗がほとばしるけどキラキラした左手、という感じでした。今日聞いた他のピアニストたちと比べたら失礼ですが、ベレゾフスキーはやはりすごかった……。ボレロは何やら謎のライブドローイングがモニターで映しだされていました。あれはよくわからんシロモノでしたが、個人的にはもうベレゾフスキーで満足していたので、大らかな気持ちで、幸福な気持ちで聴いていました。

 


たくさん聴けて満足です。ハイネケンもうまかったし、ラムルー管が格安で聴けたし、良いイベントですね!

ラヴェル:ピアノ協奏曲 左手のためのピアノ協奏曲 ラヴェル:ピアノ協奏曲 左手のためのピアノ協奏曲
フランソワ(サンソン),ラヴェル,クリュイタンス(アンドレ),パリ音楽院管弦楽団

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