アイカツスターズ!のCDについて語る その5


【序文】
このブログは基本的にはクラシック音楽について語るブログだが、どうしても記しておきたいと思うに至ったものについては、ここに記録して残しておこう。つまり、アニメ「アイカツスターズ!」の音楽はそれほどに素晴らしい音楽であることは保証したい。ポップミュージックの進化の歴史の最先端は常にアニソンなのだ。なお、前提として、僕はクラシック音楽オタクではあるがアニソンオタクでもないし、アニメオタクでもないと思っている。前作である無印のアイカツについてはそれほど詳しくないし、データカードダスもやったことはない。しかしこんなに1つのアニメにハマったのはローゼンメイデン(2004-)以来かもしれない。自分でもびっくりしている。あ、ネタバレ注意。

TVアニメ『アイカツスターズ!』新OP/EDテーマ「1, 2, Sing for You!/So Beautiful Story/スタージェット!」


TVアニメ/データカードダス『アイカツスターズ!』新OP/EDテーマ 1, 2, Sing for You! / So Beautiful Story / スタージェット!
01 1, 2, Sing for You!
歌:せな・りえ・みき・かな from AIKATSU☆STARS!
作詞:空谷泉身 作曲:秋浦智裕 編曲:南田健吾(onetrap)
02 So Beautiful Story
歌:るか・せな from AIKATSU☆STARS!
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:広川恵一(MONACA)
03 スタージェット!
歌:せな・りえ・みき・かな from AIKATSU☆STARS!
作詞:唐沢美帆 作曲:長橋健一 編曲:南田健吾(onetrap)


アイカツスターズ1年目後半のオープニングテーマ2曲と、エンディングテーマ1曲のCD。どれも基本に忠実、定番中の定番という感じがして非常に良印象だが、オープニングが3ヶ月交代に対してエンディングは半年間使われており、エンディング曲の素晴らしさと重要性を裏付けている。ジャケットはゆめとローラがパステル基調で描かれ、ほんわかしていてかわいいが、本編としてはここからは2人のライバル対決が本格化していく熱い展開となる。


1, 2, Sing for You!
これもまた良質なパワーポップ、アイカツはなぜこんなにも00年代系パワーポップが好きなのか、いや逆に言えばアニソン以外にこの音楽性の生き残る場所はないのではないか。アヴリル・ラヴィーンを彷彿とさせるグルーヴィなイントロ、もはやこういう雰囲気には懐かしささえ感じる。ゆめ、ローラ、真昼、あこのバランス良い歌声が合わさったサビを聴けばすぐさま、さわやかな疾走系アニソンの良さを味わえるだろう。オープニング1曲めは勝負曲ということで凝っていたが、2曲めはグッと定番に寄せてきた。やはり軌道に乗ったら安定飛行しなければならない。起承転結の承である。ラスサビの上昇系パワーコードで泣きメロに持っていくの、やりがちだけど嫌いじゃない。しっかりと定番を持ってくるのもまた勇気がいる。立派である。褒めて遣わす!


So Beautiful Story
シリーズきっての名エンディング。いや、どのエンディングもクオリティは高いが、この曲が最もエンディングらしい曲で、テンポもミドル〜スロー、泣けるコード進行、本編との絡みや映像の内容とも相まって、全視聴者にとって思い出深い曲となったはずだ。音楽そのものは非常にオーソドックスなポップナンバーであるのに、そうした付加価値(アニメにおいてはその方が大事かもしれない)の大きさで名曲と認めざるを得ない。もちろん音楽そのものも良い。大サビ前でピアノ伴奏のみになってゆめちゃんとひめちゃんが交互に歌うとこなんかたまらないし、サビのコード進行といい転調といい、不味いところは皆無。さすがはMONACA、隙がない。隙がないというか、「8月のマリーナ」でも書いたが、小技が所狭しと散りばめられているにもかかわらず、その全てが主張し過ぎないので五月蝿くない。例えば1番がBメロに入ってボリュームを落とす際も、生バンドならピアノだけあれば十分なところに敢えてシンセで地味に入っていたり、1番サビ終わり2番へのブリッジにてベースが奇妙に畝っていたりと、小技多し。しかしそういう小技以上に、1番Aメロは「アコギメインでピアノの和音が少し、クローズドリムの軽いドラム、後半からベースが入って来る」のに対し、2番Aメロは「はじめからベースとエレキギターでバンドサウンド」など、全体の楽曲構成が基本に忠実なため、とても素直に聴ける。聴きやすい。サビの入りもそうだ。1番のアウフタクトはギターのジャガジャンだけで2番だとドラムのフィルイン、これももう定番過ぎる演出でコメントも出ないが、こうした定石をきちんと踏まえることが大切なのだ。五月蝿くないとは書いたが、Cメロ前のコーラス裏でハイトーンからの下降系ベースに始まり、その後クライマックスまでベースの荒ぶり方には思わず苦笑。MONACAはどうしてもベースでアレンジャーのセンスをアピールし過ぎる傾向があるが、これは家訓か何かなのか……ともかく「ベースの人ノリノリでやっちゃったよ」感が出ている。歌詞も良いし、本当に良い曲だ。これがアイカツスターズきってのヘタウマ(と言えば誰からも怒られない)である歌組代表のひめちゃん(歌唱担当るか)・ゆめちゃん(歌唱担当せな)が歌っているというのが本当にもうね……。サー・エイドリアン・ボールトがロンドン・フィルを振ってブラームスを録音したときの「なぜロンドン・フィルなのだ……」という感覚と同じ。


スタージェット!
この曲はあまりアイカツスターズファンの間で語られることはなさそうだが、僕は正直なところ結構好きである。イントロ明けでAメロに入る直前のピアノがジャズ奏者並のゴリゴリしたブロックコード風で「ムムっ!」と思い、そのセンスにちょっとビビったのが、このオープニングテーマに変わって初めて聞いたときのインパクトである。この抜群のセンスである。女児向けとは思えない。脱帽する。ピアノ主導のロックで、2音ほどの和音を連打したり3音列を繰り返したりする伴奏が定番の、僕の好きなジャンル「ピアノエモ」に近い雰囲気がある。あるが、メインキャラクターたちのボーカルを(やっと)活かしたオープニングが来たなあと、ようよう本領発揮かと、歌を聴くのが楽しい曲だ。バッチリ3度のハモリで動くパッセージや、終始鳴り続けるハミングコーラスなど、歌がメインだぞと主張している。歌詞も自己実現を徹底的に肯定するアイカツらしさ全開で大変よろしい。その一方で、ゆめ・ローラ・あこ・真昼、彼女ら4人が歌うのを聞くにつけ、この曲が始まった頃は、今まで彼女らと同列に扱われていた小春ちゃんの脱落(後に帰ってくる)の悲しみに暮れていたファンも多いことだろう。もう今シーズンは小春ちゃんはメイン級の活躍はないのだということが決定づけられた曲でもあった……。


アイカツスターズ!のCDについて語る その1(2017年10月18日)
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アイカツスターズ!のCDについて語る その5(2018年3月1日)
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