クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、音楽・芸術・哲学・文学・美学などの話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会の感想、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。

  • レブレヒトのウィーン・フィル「ニューイヤーコンサート」批判(前編)
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シマノフスキ スターバト・マーテル:名曲を語るのは難しい

シマノフスキ スターバト・マーテル:名曲を語るのは難しい

シマノフスキ スターバト・マーテル 作品53 シマノフスキを取り上げるのは7年程前に「弦楽四重奏曲第2番」を書いて以来。こちらは1927年の作で、シマノフスキの3つの創作期の内の一番最後、第三期に位置づけられる作品だ。 ということで、せっかくなら第一期や第二期の曲を書いたら良いのに、またしても第三期の曲だ。クラシック鑑賞を趣味にしてそれなりに経つし、シマノフスキ作品もそれなりに聴いてきたが、なかな […]
ロバート・ベネット 祝賀交響曲「スティーブン・コリンズ・フォスター」:全国のフォスター・ファン必聴の曲!

ロバート・ベネット 祝賀交響曲「スティーブン・コリンズ・フォスター」:全国のフォスター・ファン必聴の曲!

ロバート・ラッセル・ベネット 祝賀交響曲「スティーブン・コリンズ・フォスター」 まずは基礎知識からいきましょう。ベネットという姓の作曲家は非常に多いため「ベネット」だけの表記は推奨されない。なので名をイニシャルで付けるのだが、ロバート・ラッセル・ベネットとリチャード・ロドニー・ベネットという、どちらもR・R・ベネットという表記になる作曲家がいるため、この表記もあまりよろしくない。よってロバート・ベ […]
シベリウス 樹の組曲:樹が語りかけます

シベリウス 樹の組曲:樹が語りかけます

シベリウス 樹の組曲(5つの小品 作品75) かつてこの曲の録音を含む音盤の解説にはよく常套句のように「シベリウスの音楽を議論する際、ピアノ作品は重要視されてこなかった」とか「シベリウスは自身がヴァイオリニストでありピアノ作品の評価は作曲家自身でも誇れるものではなかった」という文言が使われていた。そういう事実は事実として、今はどうか。正直、今回取り上げる「樹の組曲」だけでも、全部追うのも大変なくら […]
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」:もっともっと!

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」:もっともっと!

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 作品59-1「ラズモフスキー第1番」 古典派カルテットのすべてが詰まっているとも言える、ベートーヴェンの「ラズモフスキー・セット」の3曲の内、まず第1番を取り上げよう。 副題の通り、作品59-1から59-3までの3曲はベートーヴェンのパトロンで、また自身も音楽家であるウィーン駐在ロシア外交官、ラズモフスキー伯爵に献呈されたものだ。 この「献呈」とはどうい […]
大中恩 混声合唱組曲「風のうた」:新潟人の見た風

大中恩 混声合唱組曲「風のうた」:新潟人の見た風

大中恩 混声合唱組曲「風のうた」 2018年ももう終わるので、今年亡くなった作曲家を取り上げよう。「犬のおまわりさん」や「サッちゃん」などの童謡で有名な大中恩(1924-2018)による合唱曲だ。 「童謡」と書いたが、大中恩は中田喜直や磯部俶らと「ろばの会」を結成し、今までの「童謡」とはまた一味違う「こどものうた」を目指し、子どものための音楽に尽力した人物でもある。 そんな大中の合唱曲もまた佳作揃 […]

歌詞置き場15

風のうた 中村千栄子 風のうた るらら 風の歌 うたう るらる 「春の風」 ちらちら きらきら 四国の海は 瀬戸内の海は 幼子のよう…… さっきから あどけない つぶやきを 飽きもせず くり返すーー 小さくてまるい浜の砂利が 波のいたずらに かわいい声をあげるーー 駆けつづけてきた少女の あまく香る うなじのうぶ毛が かすかに波打つのは やさしい風が くすぐるかしら うっとりと 砂浜にねて 春の午 […]
一柳慧 パガニーニ・パーソナル:80年代のパガニーニ

一柳慧 パガニーニ・パーソナル:80年代のパガニーニ

一柳慧(いちやなぎとし、と読む)は日本の現代音楽の作曲家である。19才で渡米し、ジョン・ケージらと交流。帰国後、アメリカの前衛音楽を日本に紹介した功績は多大であり、2018年には文化勲章が贈られた。 ジョン・レノンと出会う前の小野洋子と結婚している。ジョン・レノンと出会う前の小野洋子と離婚もしている。どうでもいいかな? 僕は何を隠そう、割と現代音楽も好きである。ちょくちょくそういう曲も紹介している […]
ジャンニーニ 交響曲第3番:交響曲よ永遠なれ

ジャンニーニ 交響曲第3番:交響曲よ永遠なれ

ジャンニーニ 交響曲第3番 ヴィットリオ・ジャンニーニ(1903-1966)というイタリア系アメリカ人の作曲家を紹介しよう。フィラデルフィアで生まれ、9才でミラノ音楽院に留学し、15才でアメリカへ戻りジュリアード音楽院で学ぶ。1932年にはアメリカ・ローマ大賞を受賞しローマに留学。アメリカの様々な学校で教職に就き、A・リードやコリリアーノ、あのハービー・ハンコックも彼から学んでいる。 今回取り上げ […]
クラ ピアノ三重奏曲「象徴的な旅」:船上の作曲家

クラ ピアノ三重奏曲「象徴的な旅」:船上の作曲家

クラ ピアノ三重奏曲「象徴的な旅」 ジャン・クラ(1879-1932)というフランスの作曲家をご存知だろうか。作曲家であり、海軍士官でもある。第一次世界大戦では相当の活躍をしたそうだ。 そちらの方の詳しい話はまたそちらのオタクの人に任せるとして、音楽家としてのクラの、珠玉の名曲を紹介しよう。 海軍の職務をこなしつつ作曲活動に勤しんだクラは、生涯に渡って歌曲や室内楽を作った。歌劇などの大編成ものも残 […]
伊福部昭 蒼鷺:“枯淡の境地”を排す

伊福部昭 蒼鷺:“枯淡の境地”を排す

伊福部昭 蒼鷺 伊福部昭の弟子である松村禎三は、伊福部の歌曲の真髄は「ギリヤーク族の古き吟誦歌」「サハリン島先住民の三つの揺籃歌」「アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌」の3つであると語っている。これには全くの異論もないし、直弟子による貴重なお言葉として多くの人が納得させられている。機会があればこれらもぜひ聴いてみていただきたい。 ということで、今回は敢えてその3つは外して、伊福部最晩年の作品である「蒼 […]
ペンデレツキ ピッツバーグ序曲:ヒューマニティに物申す

ペンデレツキ ピッツバーグ序曲:ヒューマニティに物申す

ペンデレツキ ピッツバーグ序曲 クシシュトフ・ペンデレツキ(1933-)はポーランドの作曲家・指揮者である。ごく大雑把に彼の音楽について説明すると、トーン・クラスターや微分音や特殊奏法などを取り入れた前衛的な作風から、1970年頃に新ロマン主義的な標題音楽へと転向、カトリック教徒であり宗教音楽も多く書き、客演で自作他作含め指揮もする、というちょっと面白い音楽家だ。今日取り上げる曲は、一応吹奏楽の名 […]
コープランド クラリネット協奏曲:ビタースウィート・リリシズム

コープランド クラリネット協奏曲:ビタースウィート・リリシズム

コープランド クラリネット協奏曲 アーロン・コープランドの曲について書くのは、なんと2009年7月のエル・サロン・メヒコの記事以来ということで、うむ、まあこりゃ年も取るわけだ。 さて10年近く前の自分はいったい何を書いているかというと、コープランドの曲はなんとなくそれらしい雰囲気を楽しむのが良い、中身は空っぽと、ずいぶんな物言いである。そんなことを書いてから今まで色々なコープランドの曲を聴いてきた […]