ショパン&リスト:ピアノ協奏曲第1番

リスト ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調


超絶技巧練習曲などで知られるリストのピアノ協奏曲は、やはり技巧的で華やかな曲である。
リストは「交響詩」を確立したほか、リサイタルというスタイル、また、「暗譜」というスタイルも確立している。
とにかく滅法ピアノが上手かった。そして美男子だった。彼のピアノを聴いて失神する女性ファンも多かったそうだ。
この協奏曲も、自身のピアノ独奏で、ベルリオーズの指揮で初演された。
20分程度の小規模な曲だが、ピアノの美しさがふんだんにちりばめられ、オーケストラとの融和も非常によい。
3楽章でトライアングルが活躍することから、「トライアングル協奏曲」などとからかわれたりもする。


ピアノ協奏曲において、「ピアノの現れ方」というのに注目して聴いてみるのも、なかなか面白い。
ピアノだけでなく、他の協奏曲でも、その曲の主役が登場するシーンというのは、やはり大事なところである。
とりわけピアノはその現れ方にこだわりを持たせられる。和音が作れるのも理由のひとつ。
ベートーヴェンの「皇帝」はオーケストラのトゥッティの和音が強奏され、その中からピアノが分散和音で現れる。印象的である。
グリーグはティンパニの連打から、シューマンは1つの強音の後すぐに、ピアノが現れる。
ラフマニノフの2番はピアノから始まる。この8小節の緊張感と期待感は尋常ではない。これは何度聴いてもしびれる。
さて、リスト大先生だが、これもまた印象的なオーケストラのフレーズから始まり、ピアノの和音がなんとも嘆美に現れる。
このフレーズはテーマとなり、以降変奏の形で何度も現れる。全体的に構成はシンプルである。
いかにインパクトのある導入であるか、という点は、ピアノ協奏曲の面白味の一つだ。
リストのこの作品の第1主題は、一見単純なようで奥深い、耳に残る旋律である。
その旋律が消えると、ピアノの力強く美しい和音群が響く。これぞピアノの魅力。
全楽章を通して、実にきらびやかなピアノの魅力が味わえる名曲である。
まあ始まりのインパクトだけで言ったらラヴェルが1番かも知れないが…

ショパン&リスト:ピアノ協奏曲第1番 ショパン&リスト:ピアノ協奏曲第1番
アルゲリッチ(マルタ),アバド(クラウディオ),ショパン,ロンドン交響楽団

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