妖精の踊り~華麗なるヴィルトゥオーゾの世界

ヴィエニャフスキ 華麗なるポロネーズ第1番 ニ長調 作品4


このブログでは初登場となるヴィエニャフスキについて、少し解説をしておこう。
ヴァイオリンをやっている人には有名な作曲家であるが、僕はあいにくピアノからクラシック音楽に興味を持っていったので、彼を知ったのはかなり後の方になってからだ。
そういう作曲家は存外多い気がする。早く出会えていたら良かったなあと思うこともままある。やはり良い曲との出会いは大切にしたいものだ。
さて、19世紀を代表するヴァイオリニストのひとりであるヴィエニャフスキは、ポーランドの生まれで、弱冠8才でパリ音楽院に入学。
13才から演奏活動を始め、ヨーロッパ各所をめぐり、最後はモスクワで亡くなった。
ギャンブル大好き・お酒大好きという豪快な人柄だが、その演奏もまた豪快で、超絶技巧の持ち主でもあった。
ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールは、彼の生誕100年を記念して1935年から始まった、ヴァイオリニストの登竜門である。
ちょうど、ショパン国際ピアノ・コンクールというピアニストの登竜門があるが、同郷のヴィエニャフスキは「ヴァイオリンのショパン」とも呼ばれたくらいだ。
この作品はヴァイオリンとピアノのための作品だが、ポロネーズだからという理由もあって、確かにこの曲のピアニズムはショパンと近いものを感じる。
ポーランドの舞曲なので当然といえばまあそうなのだが、この曲から特にヴィエニャフスキの故郷への思いなども感じ取ることができると思う。


ポーランドらしさやショパン的ピアニズムなどを感じるとはいえ、もちろんピアノは伴奏だし、ヴァイオリンこそ主役である点を強調しなければならない。
アンコール・ピースとして親しまれているこの曲は、ヴァイオリンの技巧がなんと言っても一番の聴きどころだ。
ゆったりと甘美な旋律も登場するが、そのようにテンポが落ちたゆっくりした部分でも、ヴァイオリンは休む間もなく細かい動きを強いられたりするものだから、ヴィエニャフスキは恐ろしい。
スタッカートで弾かれる重音の連続や、上昇しきった高音の美しさ、厳しい跳躍と、7~8分の短い曲の中に、ヴァイオリニストの腕の見せ所が詰まりに詰まっている。
こんな曲をアンコールでやろうとよく思えるものだ。ボロが出そうなものだが、一流のヴァイオリニストが最後に熱演してくれたら、その格好良さは申し分ないだろう。
なにより、はっきりと立ったリズムがいい。これもまた豪快だ。華麗で豪快。ニ長調のあっけらかんとした明るさは、ヴァイオリニストが演奏していて楽しいであろうし、演奏会も楽しい雰囲気で幕を閉じることができる。
まことに良い曲である。故郷のリズムに乗った、ギャンブルとアルコールが推進力となって作られた曲であり、音楽家ヴィエニャフスキ彼自身の顕現であると言っても、誰も文句ないだろう。
興味を持った方は、第2番と合わせて聴いてみていただきたい。

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