先日友人たちに会いに金沢に行ったのですが、金沢21世紀美術館という現代アート寄りの美術館に行ってみました。たまたまやっていた展覧会が「ヤン・ファーブル×舟越桂 Alternative Humanities―新たなる精神のかたち」というもので、現代美術をリードする2人の作家、ベルギーのヤン・ファーブルと日本の舟越桂の同時展示です。


ヤン・ファーブルは15,16世紀のフランドルの宗教画を意識しつつ、自らの血や動物の剥製、虫などを使った彫刻が多く、「生と死」や「人間の矛盾」などを表現しています。彫刻の他にも、「聖母/戦士」といった甲冑を身にまとって行うパフォーマンスや、カメとトマトを置いただけの「ギリシアの勝利」と「ギリシアの悲劇」といった展示など、ちょっと前衛的でよくわからないものも多かったですが、なかなか楽しめました。一見するとちょっと中二病的というか、某スクエアのRPGチックな展示も多かったのですが、ま、西洋人ですし、特に生命や宗教画との関連を意識しているというなら、そういうものかもしれません。他に面白かったものは「脳は身体の中で最もセクシーな部分か?」というフィルム、「水に書く男」というバスタブが並ぶ展示、血を使った「私の血液、私の血痕」、「梟の目を持つ蝶」、鼻血をたらした人間「私自身が空(から)になる」、ボールペンで塗りたくられた作品群など。


左の展示は「芸術は孤独ではない」、右は美術館の屋上に配置されている「雲を測る男」です。この辺りはなんとなく意味がわかりますね。


舟越桂の方は、木彫りによる人間の彫像がメインです。こっちは写真がないのですが、なんというか非常に不気味でした。目は虚ろで、首が長く、多くのものが大きな乳房を持ち、肩の上に手があったり、色々なものが乗っかっていたりします。ちょっと考えてみたのですが、よくわからないです。ということでパンフを読むと、「現代の人間の内面を雄弁に語り、日本文化の一大変革期である幕末の観音像にみられる日本人の複雑な心情や死生観との共鳴を示します」とあり、尚更よくわからないです。しかし、観音像と一緒に展示された彫刻「水に映る月触」はなんとも言えない心地がしましたし、大きな乳房がありながら男性器を持っている彫刻「森に浮くスフィンクス」には異様な感覚を覚えました。


常設展で面白いものがありました。レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」です。
外から一見すると普通のプールですが、下に人が服のまま入っています。薄いガラスに水を張って、水面を境に地上と地下(プール内部)での、人と人のちょっと不思議な出会いを創造するというもの。右の写真で、中で梯子につかまっているのは僕です。これは子どもにも面白いですし、遊べる要素があって良いですね。


右の方のカラフルなものは「カラー・アクティヴィティ・ハウス」、左のチューバ状のものは「アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3」という、ともに美術館の外にある展示です。親子連れや子どもたち(大学生のような人たちも)が遊んでいました。が、この日はとっても暑くて遊ぶ元気なんてなかったので、これは中のカフェから撮った写真です(笑)


すぐ近くに兼六園があり、観光としては良い位置にありますね。辺鄙なところに作っても、現代アート好きな人にしかアピールできないのでは意味ないですし、人の集まるところにあるのは良いことです。ご多分にもれず、この後兼六園に行きました。

彫刻家・舟越桂の創作メモ 個人はみな絶滅危惧種という存在 彫刻家・舟越桂の創作メモ 個人はみな絶滅危惧種という存在
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