基本的に、行ったコンサートやライブなどの感想はLive & Concertというページで書き残しているのだが、クラシック以外は最近めったに書いていない。今年の2月に、子どもも妻もハマったということで、戦隊ヒーローのショーを見ようとシアターGロッソに行った。その際の感想、というのとは少し違うので、まあ感想という訳ではなくちょっと別で書き残しておこうと思った。
僕自身も戦隊ヒーローは好きな方で、子どもの頃から仮面ライダーよりは戦隊派だったし(とは言えライダーも結構見てたと思うが)、僕らが行ったときはキャストさんご本人も出演するということで大いに盛り上がり、とても楽しかった。最前列だったのもあり、大迫力、キャストも近くて大興奮だった(主に親が)。3歳の子はザミーゴに武器を向けられて「ねえこわいー」とビビってたけど、その後は特に、ヒーロー達に精一杯「がんばれー!がんばれー!」と叫んでいた。最前列って結構狙われるんだね(笑)
ギャングラーの戦闘員(要はザコ敵)も、最前列だと結構近づいて、こっちを向いてガッツリ脅かしてくるんだけど、それに怖がる上の子をの様子を見て、僕も自分の幼い頃を思い出した。僕は新潟の片田舎の生まれなので、こんなに立派な専用シアターではなく、スーパーマーケットの駐車場で行われた戦隊ショーだけど。その時、僕はいったい何才だったか、いったい何レンジャーのショーだったかもはっきり覚えていない。ジュウレンジャー、ダイレンジャーあたりか?わからん。とにかく当時の僕は他の子たちと同様に、その戦隊が大変お気に入りだったはずだ。
そのショーの進行で、戦隊側がピンチになり、敵が観客の子どもたち何人かに戦隊に関するクイズを出して、答えられたらどうのこうの、という企画になった。どうのこうの、というのは、ちょっとしたプレゼントがあったりしたような気がするが、詳しくは覚えていない。僕はそのクイズで、立候補したのか偶然選ばれたのか、これも覚えていないが、回答者になったことは覚えている。幼い頃は泣き虫で、敵の戦闘員に手を引かれて前に出るだけでも怖くて、ほとんど泣き顔だったはず。他の子がクイズに答えて正解して、景品を貰ったようだった。当の自分はというと、泣きながらも何かしらをひねり出して、声にして、ようやく答えたというようなことしか覚えていない。あれは正解だったのだろうか。
大きくなればフィクションだとわかるけど、子どもにとってはあれは1つの真実なのだ。いや、言い切ったけど、どうかな。今の子はませてるから、あれはお話で……という認識があるのかしら。知らんけど。しかし僕には真実だった。だから当時、あの状況で、本当に心から怖いという感情に加えて、自分は知識としてクイズの答えを知っているぞ、僕なら答えられるぞ、という自信と、一緒に来た弟も見ていることだし兄としての立場もあるし、何より「世界の平和のために、戦隊のために、僕がやらねば!」という謎の責任感、義務感のようなものもあったと推測する。不思議な、ある種得難い経験であったことは間違いない。
とにかく、今現在の自分の子どもたちがしている体験を見ていると、僕自身が幼い頃に体験したものよりもずっと質的にも量的にも、共にものすごいものが、より身近に、より手軽にできる時代になってしまったんだなあと、感心してしまう。良いのか悪いのかの判断はできない。それに、単にこれは都内だから可能なだけかもしれないが、東京の近郊であれば可能だし、時代の流れなんだなあと思う。
少なくとも「後楽園ゆうえんちで僕と握手!」なんてテレビCMで言うセリフは、幼い頃の僕にはあまりに現実味のない話だった。だからシアターGロッソで、お出迎えしてくれるルパンレッドにワシャワシャといじられたり(上の子3歳はパトレン1号推しなのでその服を来ていった)、舞台挨拶に出てきたルパンイエローご本人に下の子の服(これもルパンイエローの服を自作して着ていった)を「かわいい」って言ってもらえたりするとか、ちょっと考えられないことをしているなあと、幼い頃の僕の立場から考えてしまったのだ。別にこの話にオチはない。ただ思い出したから書いただけ。ただ楽しい経験は、できるときにしておくべきだとは思う。あと下のCDに入っている魁利くんのキャラソン「氷の世界」は良い曲なのでおすすめ。
日本コロムビア (2019-01-23)
売り上げランキング: 514
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more