フォーレ ジャン・ラシーヌの讃歌:宗教と愛、神、音楽

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フォーレ:レクイエム/ラシーヌ賛歌/マスクとベルガマスク

フォーレ ジャン・ラシーヌの讃歌 作品11


本当は25日中に更新したかったのだが、間に合わなかった。
「レクイエム」で高名な、フォーレの歌曲(宗教曲)である。器楽をやっているとあまり聴くことはないが、合唱の世界では有名である。
フォーレの器楽曲と、フォーレその人についてはまたの機会に十分語ろうと思う。今は敢えてこの曲を取り上げる。
ラシーヌとはフランスの詩人である。ラシーヌの詩にフォーレが曲をつけたもの。
神を讃えるラシーヌの詩(雅歌)が良いのはもちろんのこと、この旋律が無上の美を持っている。
信じられないほど完璧な美しさである。敬虔な美、「高貴」「崇高」という言葉がふさわしい。
フォーレの作品の中でも初期のものだが、完成度は高い。
ピアノ・オルガン・管弦楽伴奏があるが、やはりオルガンが1番かもしれない。
もちろんどんな伴奏でも素晴らしいのだが、一般的に宗教曲にはオルガンが似合うものだ。
この曲は、モーツァルトを引き合いに出されることの多い曲でもあり、実際こういった曲について語るのは、モーツァルトを語るのと同様に難しい。


多く、宗教曲というのは、旋法や様式といったことを除いても、ある特殊な魅力を持っているように思う。
バッハ、モーツァルト、ヘンデル、ヴェルディにおいてはもちろんそうだし、趣は全く違うが、ペンデレツキの交響曲や、吹奏楽曲、F・W・マクベスの「神の恵みを受けて」、A・リードの「エルサレム讃歌」だってそうだ。
ラシーヌの讃歌も例外ではない。名曲と呼ばれる宗教音楽、壮大なもの、荘厳なもの、華やかなもの、静かなもの、形式や曲調にかかわらず、それらに通じているもの。
そこには詩・音楽を通した「神への愛」があるのだろう。


キリスト教と縁のなかった日本でも、この時期はクリスマスを祝う訳で、せめて音楽を通してだけでも、「神」に触れるのはいかがだろうか。
僕はキリスト教徒ではないが、宗教曲を聴くし、良い音楽には感動する。
そういう所が日本人らしいというか、或いは「神の無償の愛」とでも言うべきか。
このラシーヌの讃歌は、曲も短く聴きやすいし、なにより美しい。
クリスマス、「神」への祝福に相応しい、混声合唱の温かな響き。
心の中に自然に入ってくる、ふと涙がこぼれそうになる、そんな曲だ。

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