ちょっと冗談が過ぎたようですが、まあこういうことですね。
演奏者は音を出さない。聴衆は周囲の聞こえる音に耳を傾ける。
偶然性の音楽を世に提示したジョン・ケージの最も有名な作品。
ということで、僕は43行の空白でブログを更新したわけだ。
この作品は多くの人を驚かせたし、多くの作曲家に影響を与えた。
ケージの数多くのアイディアはとても興味深いし、色んな作品を聴けば、彼は偉大な音楽家だとわかる。
だが僕は、この作品の限っては、芸術ではないと断言する。
西洋音楽史において、ほぼそのアンチテーゼとして登場した偶然性の音楽は、二十世紀を代表するムーブメントである事は確かだ。
しかし、人間が心を失わない限り、魂のある音楽は無くならない。
一体どれほどの期間、どれほどの人間が、人間の心を揺さぶる音楽を作ってきたのだろうか。
芸術は、音楽は、そうやって存在してきたのだし、そうあるべきだ。
「4分33秒」は確実に歴史に名を残す。
もしこれが歴史に「芸術」として君臨するようなら、それは人間の心の終焉を意味する。
「そんなことはあるまい」と僕は「音楽」を聴いてそう思う。
これが芸術のアンチテーゼで有り続けることは、これからの音楽の歴史が証明してくれるだろう。
「4分33秒」論 ──「音楽」とは何か (ele-king books) 佐々木敦 Pヴァイン |
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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more
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