今年最初のコンサート訪問はオペラシティのオルガン。相変わらず平日マチネしか行かない日々が今年も続きそうですが、もう子どもたちも大きくなってきたし、そろそろ年に何回かは休日かソワレに行く身分になりたい。ネームバリューある外来オケでも聴いて、なんかわかった風な感想書いて、わかった風な気分になりたい! が、それはそれとして、年始の一発目からバッハ、ヴォーン=ウィリアムズ、ラターが聴けるのだから、聴き初めのチョイスとして文句なしでしょう!
【東京オペラシティのヴィジュアル・オルガンコンサート 233】
(2025年1月17日、東京オペラシティコンサートホール)
バッハ:ピエス・ドルグ BWV572
ヴォーン・ウィリアムズ:《ウェールズの賛歌の調べによる3つの前奏曲》より第2番「ロージメードル」
ベダール:オルガンのための《猫の組曲》
ラター:エレジー/トッカータ・イン・セブン
新山恵理(Org)
バッハの有名なBWV572でスタート。美しいですね。一応、色々な国の曲というテーマがあるコンサートだそうで、この曲で一気にドイツとフランスを両取りするということらしい。イギリスは2曲もあるけどね!良いけど! 実際このバッハの幻想曲でフランス風はあまり感じられない。でも満足。オペラシティのオルガンコンサートはカメラがあって、スクリーンで演奏者の映像が見られます。足元、凄いよね。続いてヴォーン・ウィリアムズの「ロージメードル」、通称ロシメドレ。いやあ、生で聴けるなんて思ったことなかったけど、聴けるんですねえ。いやオルガンコンサート界隈の事情に詳しくないので、案外日本でも定番なのかしら? ロシメドレばかり録音されるけれども、ぜひ「ウェールズの賛美歌による3つの前奏曲」の3曲通してやってほしいですね。
デニス・べダール(1950-)という作曲家の「猫の組曲」、これは知りませんでしたが、かわいい曲なんだろうなと思っていたら、本当にかわいい曲だった。第1曲Prrrelude、第2曲Cats at Play、第3曲Catnap、第4曲Toc-cat-a、もうタイトルだけでかわいい。ただ、かわいすぎて、バッハとRVWの後に聴くとあまりに軽過ぎる。どでかいパイプオルガンで聴く曲ではないような気もする、巨猫か、いや、でもまあ、やっぱりバッハとRVWの後のせいだろうな、しかもそのあとラターだしな。この曲だけ世界観おかしいだろ(笑) そんなポップチューンのあとはラターのエレジー、こちらもそこそこポップなメロディではあるけど、猫とはメンタリティが違うぜ、穏やかな悲歌。ラターの中では割と新しい曲のようです。1月17日、阪神淡路大震災から30年にあたる日に、このような曲を聴けて良かった。僕は新潟に住んでいたので被災していませんが、子どもながらによく覚えています。朝のニュースは地震の話ばかり、衝撃的な映像で。「まっすぐに西へ」という課題図書で読書感想文書いたわ。エレジーに続いて華やかなトッカータで〆。やはり生で浴びる巨大パイプオルガンは良い。満足のコンサートでした。
Bridge/Vaughan Williams: Complete Organ Works
Christopher Nickol
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more