「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展 記念コンサート vol.2 尾池亜美

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今年も東京春祭はミュージアムコンサートへ。昨年も沢山の展覧会などを楽しんだし、今年も沢山見に行けますようにの願いを込めて。この時期の上野公園のスタバはとんでもない人混みになってますが、どうでしょう、地下に広大な席を作ってみるというのは。壁に桜の絵とか、パンダのリアルタイム配信とか流して、外国人観光客も楽しめるような。春祭ではカフェコンサートに利用したら良くない? シアトルから奏者呼んでもよし、スペシャリティコーヒーが振る舞われるコンサート希望です。そういうのだと割高でも人来るんだよな。よろしくお願いしまーす!


【「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展 記念コンサート vol.2 尾池亜美】
(2024年3月22日、東京都美術館 講堂)

ドビュッシー:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 BB85
ミヨー:バレエ音楽《屋根の上の牡牛》 op.58(ヴァイオリンとピアノ版)
 アンコール ドビュッシー:美しき夕暮れ

ヴァイオリン:尾池亜美
ピアノ:大瀧拓哉


今年は印象派展、僕もこのコンサートの前日に展示を観に行きました。混んでたけど、平日な分いくらかましだったのだろう。その展覧会にちなんだ演目、奏者のお二人も今回のプログラムはばっちり考えたと語り自信ありげ、それもなんか良かったわ(笑) あんまり関係ないんですけど、テヘペロ、みたいなこともありえるじゃんね、しっかり組んできたぞと言い張ると、気合いを感じられて素敵だ。印象派とその影響ということで、ドビュッシーに始まり、バルトーク&ミヨー。良いプログラムですね。


まずは1曲目、ドビュッシーのソナタ。春にも相応しい良い曲で、僕も大好きです。開始早々、音が固い……1曲目なのもあるけど、この会場の響き方にイマイチ合わない。僕ももう何度目なので予想はしていたし、身構えていたにもかかわらず、やっぱり合わないなあという感じが強い。会場の特徴と奏者の特徴の両方の影響に加えて、春の空気感、音楽祭という祝祭的な雰囲気、印象派展の持つ色彩感、そしてドビュッシーらしさ、その辺りが個人的な好みとマッチしなくて、全然おもしろくなかった。尾池さんは曲終わりのトークで、pやppがこの会場だとちょうどいい的なことを仰っていましたが、まあそういうのが好きな人がいそうなのも理解しますね、ただ個人的にはドビュッシーなら、すぐ隣の文化会館の小ホールみたいなとこで、スーッと広がる弱音の方がいいなあ。これは美術展示も似たような話で、特に印象派絵画なんかはそう。尾池さんも展示を見たそうで、光の扱い方や色彩について印象派とポスト印象派を挙げて、音楽もですよねと話されていたのですが、音楽作品ごとの違い=絵画作品ごとの違いがあるのはもちろん、展示方法によって印象が全然違うのは、音楽で言えばホールの違いでしょうかね。それこそモネやルノワールみたいな絵も、海外から借りた日本の美術館の特別展の暗い照明で見るのと、美術館自前の所蔵品を明るい照明で見るのと、全くイメージ違いますしね。ということで、イマイチ楽しめないドビュッシーのソナタでした。


バルトークはお二人とも好きと仰るように、これがめちゃくちゃ良い。滋味深い音色も良く合う。尾池さんも本当に好きなんでしょうね、飛び跳ねるように力込めて弾いてました。強いリズム、強い音、かっこいい! ミヨーも圧巻。「カットする人もいるらしいんですけど、野心のあるうちに全曲やりたい」という尾池さん、素敵だ(笑) 確かに長い曲だけど、全く飽きさせない、あれよあれよと時間が過ぎる。ピアノの周りを歩いて一周する尾池さん、後ろの方が狭そうだったけど、まあ歩きたくもなるよね。ソロもかっこ良かったなあ。ピアノも安定感ありパワーあり、凄かった。このガッチリしたピアノのあるおかげで、生き生きしたヴァイオリンがいっそう映えましたね。素晴らしかった。バルトークではお昼寝してた老人たちも、ミヨーでは結構起きてて、ノリノリで聴いてたわ。アンコールのドビュッシーで〆。楽しい時間でした。

フレンチ・ロマンチシズム
尾池 亜美 (アーティスト)


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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