新年度最初のコンサートは東京・春・音楽祭のミュージアムコンサート、ヴィルタス・クヮルテットです。評判の良いカルテットなので期待大、とても楽しみにしていました。上野公園はようやく桜が咲き始めましたね。
【「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展 記念コンサート vol.4 ヴィルタス・クヮルテット】
(2024年4月2日、東京都美術館講堂)
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 op.96《アメリカ》
ヴィルタス・クヮルテット
ヴァイオリン:三上 亮、對馬佳祐
ヴィオラ:馬渕昌子
チェロ:丸山泰雄
都美の印象派展のミュージアムコンサート、vol.2の尾池亜美さんと大瀧拓哉さんのデュオも聴きましたが、そちらのこだわり選曲も良かったですし、今回は「フランス印象派とアメリカ」というテーマに文字通り合わせたようなプログラム。どちらも名曲ですし、いっそうワクワクですね。最初はラヴェル、これがまた、うーん、なんとも……ガチッとパワフルなアンサンブルでしたが、いまいちムードが微妙。前回も書いたけど、ここでこういう曲は厳しいのか。まあ音響に関しては好みなんでね、良かったという人もいると思います。ヴィオラなんか本当に素晴らしかったけど、1stヴァイオリンがね……。
という感じで萎えていたんですが、ドヴォルザーク、めっちゃ良かった。いやあ、まいった、こういうことがあるから音楽鑑賞はやめられないんだなあ。まずヴィオラの提示が完璧な美しさ、音色もいい、キチッと決まったリズムもいい。そこから先はカルテットもばっちり噛み合って、曲の魅力も全開、愉快なリズムや強奏の迫力や豊かな節回しもすべて楽しい。2楽章、低音が伴奏してヴァイオリン同士のハーモニーや掛け合いが楽しい部分、とてつもなく美しかった。うーん、最高でしたね。チェロも常に味があって素敵だ、ムラもあったかもしれないけど、それすら魅了する。ヴィオラは言うまでもなくずっと良かった。
ちなみに、舞台上に謎の置物みたいなのがあって、終演後にたまたま音楽祭のツイッターアカウントがシェアしていたのを見て知ったのですが、柱状拡散体AGSというかっちょいい名前の音響板的なのが置いてあったのね。効果の程は謎でしたが、見た目もナチュラル(?)な感じで良いんじゃないでしょうか。まあ音響に関しては好みなんでね……。
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more