今年もラ・フォル・ジュルネは子どもと一緒に0歳からのコンサートのみの参戦。率直な感想としては、昨年と比べて今年の方が良かったです。
チャイコフスキー:バレエ「眠れる森の美女」op.66aから
序奏、パ・ド・キャラクテール-長靴をはいた猫と白い猫、村人の大ワルツ
チャイコフスキー:オペラ「エフゲニー・オネーギン」から ポロネーズ
チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」op.71a から
行進曲、こんぺい糖の精の踊り、ロシアの踊り(トレパーク)、あし笛の踊り、花のワルツ
指揮:ドミトリー・リス
演奏:ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
司会:中村萌子
指揮者もオケも司会も、昨年と同じ。昨年はモルダウと、語りの入った白鳥の湖を聴いたんでした。昨年の感想もブログに上げましたが(こちらから)、確か白鳥の湖が長くて長くて、とてもじゃないけど小さい子どもたちは我慢できずに泣きまくり騒ぎまくりでした。その点、今年は改善されていて良かったですね。今年のラ・フォル・ジュルネのテーマが「ラ・ダンス 舞曲の祭典」ということで、「音楽に合わせて踊ってみよう」とか「この曲はこんな風に身体を動かしてみましょう」という司会のお姉さんの言葉があったおかげで、子どもたちはじっとしているストレスからかなり解放されたと思います。演奏の時間も正味45分ほどで終わり、その後は楽器を手にしたウラル・フィルの団員との触れ合いタイム。これはちびっこを連れた親にはありがたいですね。うちの子も、無事ヴァイオリンの弦を指で弾いてピチカートだと喜んでいました(僕が)。おじさんが持っていたホルンにも興味津々。いい時間でしたね。
こういう触れ合いタイム、ありがたい一方で、我々はたまたまかなり前列にいたおかげで演奏後すぐにステージに駆け寄って、ほぼ待たずに団員さんとほのぼのタイムを過ごすことができましたが、その後もどんどん人が集まってきて、行列もできていき、「これは早めに撤退するぞ!」とヴァイオリンとホルンの方と触れ合ったらそそくさと会場を後にし、「いやー前列でラッキーだったなー」なんて呑気なことを言っていましたが、後列にいた人たちはきっと触れ合うまで結構待ったと思いますし、そもそも2階席3階席の人たちは触れ合えたかどうかもわかりません。国際フォーラムのAホールというバカでかい会場ですから、親子連れの数も相当です。この会場の2階・3階のお客さんは、音楽もきっとまともに聴こえていないはずですし、1階席の親子連れが楽器触れ合いタイムを過ごしているのを、上から指をくわえて見ていたことでしょう。そもそも、演奏後にこんなプチ触れ合いタイムがあることは知らされていませんでしたし、さぞ不公平に感じたのではないかなあと推察します。
ラ・フォル・ジュルネに慣れていれば、Aホールの酷い音響やどこに座ればまだましに聞こえるのかを知っているので良いのですが、ラ・フォル・ジュルネはクラシック初心者ウエルカムなコンサートですからね。もしその辺のことを知らずに、子どもに良い音楽を聞かせたい!と思って奮起してチケット取ってやってきた親御さんがいたら、音は聞こえないわ他の子はオーケストラと触れ合ってるわで、自身の情弱っぷりを嘆き「やはりクラシックは難しいな……」と思うことでしょう。もっとも、最近の子育ては何につけても情報戦ですが……。1月に、同じ国際フォーラムでアンパンマンのミュージカルを見に行ったときは、最後にキャラクターとステージ上で握手できる時間が設けられていましたが、徹底的に管理されて、どこの席の方から順にこういう動線で、撮影はどうカメラはどう、と細かく指示されました。そうやって管理しないと苦情も多くなるでしょうし、大変なんでしょうね。
ともあれ、個人的には大変良い思いをさせてもらいましたので、満足でございます。公演後は、またまた漫画家の小澤一雄先生のサイン会をやっていて、時間も早かったおかげでそんなに並んでもいなかったので、家族3人の似顔絵入りのサインを描いてもらいました。昨年の似顔絵と見比べてみて、長男の髪の毛の量が増えており、成長を実感した次第です。
チャイコフスキー:バレエ「眠りの森の美女」 ゲルギエフ(ワレリー),チャイコフスキー,マリインスキー劇場管弦楽団,ザゴロードニウク(ウリ),ロルドゥージン(セルゲイ) ユニバーサル ミュージック |
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more