「ミロ展」記念コンサート vol.5 大萩康司

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ミロ展記念コンサート、先日は中野翔太さんのサティ作品集を聴きましたが、今日は大萩康司さんのギター、ミロの出身地にちなんだカタルーニャの音楽をテーマにした演奏会。とても楽しみにしていました。満員御礼だそうです。エイプリルフールじゃないですよ! なにしろ4月になったというのに寒い寒い。冷たい雨で上野の桜も寒そうだ。東京・冬・音楽祭に改名だわ。


【「ミロ展」記念コンサート vol.5 大萩康司】
(2025年4月1日、東京都美術館 講堂)

アルベニス:スペイン組曲 第1集 op.47より 第5曲 アストゥリアス《伝説》
モンポウ:《歌と踊り》より 第13曲 鳥の歌
M.リョベート:《10のカタルーニャ民謡集》より
カサド:
 カタルーニャの伝説
 カタラネスカ(カタルーニャ風)
モンポウ:コンポステラ組曲
 アンコール 横尾幸弘:“さくら”による主題と変奏曲

ギター:大萩康司


ギターを聴くのは大好きなんですが(詳しくはないです)、録音ばかりで、なかなか生演奏で聴く機会に恵まれず、やっと聴きに行けました。生で聴いたのなんて、10年以上前に村治佳織さんの弾くコンチェルトとか、もっと前に聴いたのは木村大さんのコンチェルトとか、そんなくらいかな。今回は1時間コンサートとはいえ、大萩さんのソロを生で聴ける嬉しさ! 大萩さんの演奏も聴いてみたかったんです、荘村・福田・鈴木・大萩によるロドリーゴのアンダルシア協奏曲を見てからずっと。今日は念願叶ったり。


ミロ展にあわせて、今回はスペインで作られたギターと、スペインで作られた弦を選んだという大萩さん。しかも楽器は1950年代のもので、ミロ存命中に作られたもの。ということで、そんな時代を思い浮かべつつ聴くのも楽しい。アルベニスの名曲、鳥の歌、民謡集など、ギターの繊細な響きにうっとり。大萩さんが舞台上の反響板について、これがあるとないとで全く違うと仰っていましたが、やっぱりそうなんですね。昨年の印象派展記念コンサートのときに知りましたが、名前を失念したと言われていたこの反響板は柱状拡散体「AGS」だそうです。特にギター・ソロのような演奏では効果も大きそうですね。


モンポウのコンポステラ組曲全曲が聴けたのは大変良かった。音色、表情、様々な変化のある音楽をそれぞれ楽しめました。第3曲のコラールの美しさ、終曲のドローンも格好良かった! 第4曲のレチタティーヴォのような、ちょっと一見すると不思議な音楽は、ミロの作品にも通じるところがあると語ってらして、確かにそういう感じだよなあと。その奇妙さの奥にある、裏にあるものを感じられるような演奏でしたし、そういう解説というか演奏者からのお話と、今回の展覧会と、一体になって味わって楽しめる、まさにミュージアム・コンサートの良さが詰まっている、そんな時間でした。アンコールでさくらを楽しめたのも、雨の日だけど上野公園に来たかいがあるなあと、大満足。良いコンサートでした。


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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