東京二期会プレミアムコンサート2024 ミシェル・プラッソン日本ラストコンサート Au revoir!

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ポスターの「ミシェル・プラッソン最後の来日」と書かれた文言を見て、いつの間にそんなことになってるんだ……と思いチケ取りした次第。昼公演やってくれることに感謝! プラッソン、CDで聴いていたのはもちろん、生では5年前の新日フィル客演で聴いたのが、とても良かったのを覚えています。そのときが85歳、今は90歳だそう。それはまあラストにするのも納得ですね。

【東京二期会プレミアムコンサート2024 ミシェル・プラッソン日本ラストコンサート Au revoir!】
(2024年8月15日、東京オペラシティコンサートホール)

M.ラヴェル
「マ・メール・ロワ」
「ダフニスとクロエ」より 第2組曲
G.フォーレ
「レクイエム」op.48
アンコール フォーレ ラシーヌ讃歌

指揮:ミシェル・プラッソン
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ソプラノ:大村博美
バリトン:小森輝彦
オルガン:石丸由佳


今年はフォーレ没後100年、そして8月15日は終戦の日、そんなタイミングでプラッソンが指揮するフォーレのレクイエムが聴けるなんて、まずはもうそのことに感謝の気持ちでいっぱいです。あれこれ演奏について言うのもおこがましくなるくらい、良い企画、ありがたい音楽でした。ラヴェルも伝記映画が先週公開されたばかりで、そっちも良いタイミングだったのかもしれない。


プラッソンははじめ立って指揮していたけど、基本は座って指揮。歩くのもちょっと覚束ないような感じ、でも指揮はしっかり振ってましたね。マ・メール・ロワ、良かったなあ。僕はそんなに多く生演奏を聴いてきた訳ではないですけど、前にマ・メール・ロワ聴いたのはラトル/ロンドン響の2018年の来日、今回のプラッソン/東フィルの演奏はそのときよりずっと感激しました。繊細で、丁寧で、バランスもよく、とにかくオケ上手いなあ、と。別に東フィルに詳しいわけでもないけど非常に日本のオケっぽい感じの音色で、それでも魅力ある演奏で大満足。オケの音色だけならロンドン響大好きなんですけどね、その辺はさすがプラッソン、十八番なんでしょう、聴かせ方を誰より知っているって感じでしたね。あの雰囲気を作り出してしまえば、もうダフニスとクロエも言う事無しですね。音量が大きくなっても良い空気感のままで、ドカンと迫力が増しても、音楽が壊れることなく感動だけが増す。良い時間でした。


繰り返すけど、こういうタイミングでフォーレのレクイエムを聴けたということに、音楽を聴くことが趣味の人間には意味があるので、演奏についてどうこういうのはナンセンス……だけど言っちゃうんだなあ(笑) さすがに、僕がいくら素人とはいえ、メンバーを見れば聞く前からある程度予想はできるけれども、また先日Twitterでも上げたようにマシュー・ベストの録音を最近聴いてしまったのもあり、今回のはその対極にあるかのような演奏で頭がバグってしまうわ。意外とテンポも速めだったかな、そこはプラッソン的なこだわりなんでしょう、良いよね。ただソロは特に、もうオペラでも見てるのかって感じでびっくりしたわ。歌い終えたらブラァヴォォとでも飛ばした方が良かったのかしら、って感じ。合唱もいくらかそんなんだったけど。オケはめちゃ良かった、オルガンも、美しかったなあ。まあまあ、オペラ団体がオペラシティでやる劇場型レクイエムということで、良いんじゃないでしょうか。そういうのもあるんでしょう。


まさかレクイエムのあとにアンコールやるとは思っていなかったので、カーテンコール連続のあとにプラッソンが構えたのを見てびっくり。そして曲が始まってもっとびっくり、大好きなラシーヌ讃歌の序奏が流れ、思わず天を仰いじゃった。なんて素晴らしいアンコール、合唱も最高でした。初日にもやったみたいですが、ネタバレ食らわないで良かった。いやあ、ありがたやありがたや。美しいラシーヌ讃歌が終わるやいなや、どっかから「ブラアヴィ!!」と飛んできました。いやいや……ラシーヌ雅歌だぞ、どうしたらそんな声出るんだよ、オペラじゃないんだから。オペラ団体がオペラシティでやる公演に来たオペラファンおばさんよ、それは勘弁してくれよ、オペラの流儀じゃないのよそこは、あと10秒待つんだよ。まったく、タイミングが悪かったな、ブラビだけに……うーん、うまい、座布団一枚!


とまあ、プログラムに1ミリもオペラ要素ないのに、最後までトラファルガー・ローもびっくりのオペオペな演奏会でした。長い一般参賀、プラッソン、愛されていますね。ありがとうプラッソン、長生きしてね! 今回の公演は文化庁の事業で、小中高校生も招待あったみたいです。少し前に「子どもにブルックナーは早い」とかなんとか、話題になっていましたが、ラヴェルとフォーレは早くないということで良いのかしら。うるさいなんてこともなく、終演後に満足げに歩いていた中学生か高校生の何人組を見かけて、僕まで嬉しくなりました。そりゃあ満足でしょう、素晴らしかったですね。

フォーレ:レクイエム
プラッソン(ミシェル)


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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