アイカツスターズ!のCDについて語る その11
【序文】
このブログは基本的にはクラシック音楽について語るブログだが、どうしても記しておきたいと思うに至ったものについては、ここに記録して残しておこう。つまり、アニメ「アイカツスターズ!」の音楽はそれほどに素晴らしい音楽であることは保証したい。ポップミュージックの進化の歴史の最先端は常にアニソンなのだ。なお、前提として、僕はクラシック音楽オタクではあるがアニソンオタクでもないし、アニメオタクでもないと思っている。前作である無印のアイカツについてはそれほど詳しくないし、データカードダスもやったことはない。しかしこんなに1つのアニメにハマったのはローゼンメイデン(2004-)以来かもしれない。自分でもびっくりしている。あ、ネタバレ注意。
一応これでアイカツスターズのCDは全て紹介したことになる。今後も出たら追加していこう(と思っているのでどうか出してください)。最後のCDも佳作揃い。ジャケットもヴィーナスアークの面々勢揃いで、4曲目と繋がっており、ファンには嬉しい絵だ。
TVアニメ『アイカツスターズ!』2ndシーズン挿入歌シングル Endless Sky
1.The only sun light
作詞:松原さらり 作曲:長橋健一 編曲:Integral Clover(agehasprings) 歌:りさ
2.裸足のルネサンス
作詞:只野菜摘 作曲:阿部隆大 編曲:野崎心平 & 大迫杏子 & 阿部隆大 歌:りえ・ななせ from AIKATSU☆STARS!
3.ネバギバ☆
作詞:美音子 作曲:カイザー恵理菜 編曲:山﨑佳祐(onetrap) 歌:かな from AIKATSU☆STARS!
4.Bon Bon Voyage! ~エルザ & きらら & レイ & アリア ver.~
作詞:辻 純更 作曲・編曲:石濱 翔(MONACA) 歌:りさ/みほ・りえ・るか from AIKATSU☆STARS!
The only sun light
エルザ様のソロ曲、Forever Dreamに続く2曲目はぐっと力強さを増した感じ。この曲がアニメ本編に登場したのはローラとエルザ様の初対戦で、ローラが素晴らしいステージを見せて大金星を匂わせた後に、エルザ様が圧倒的な力でねじ伏せてラスボスの風格を徹底的に印象づけるのに使われた。ということで、前曲ではいわゆる歌姫的なディーヴァだったが、今度はレディー・ガガ風のちょっと攻撃的なディーヴァになったという感じだ。甘口から中辛へ。パーフェクト・イリュージョンとか、ボーン・ディス・ウェイとか、バッド・ロマンスとか、そういうズシッと来る女性ヴォーカリスト曲を思わせる。力強いマイナー・コード、ブイブイ鳴らすシンセ、テンポも上げ過ぎず、かつバラードほど落とさないミドル〜ハイの中庸。曲そのものは良いんだけど、アイカツスターズらしいかわいい曲ではないので、そういう意味でもエルザ様は本当に徹底してヒール役なんだなあと印象づける曲になってしまった。
裸足のルネサンス
この曲を歌うレイさん(歌唱担当りえ)は、宝塚で言うところの「男役」のようなボーイッシュなアイドル。そういう役割は1年めは「厳しすぎるアイドル」ことツバサっち(歌唱担当ななせ)が担っていたのだが、2年めでは出番が少なくなってしまい、ツバサっちよりさらに王子様キャラに寄せまくったレイさんが活躍するようになった。本編ではレイさんのソロでも歌っているが、CD収録は放送時に視聴者誰もが興奮したであろうレイさんとリリエンヌ(歌唱担当ななせ)の組み合わせ。この2人であれば歌唱力に不足はない。レイさんのイケメンキャラを最大限活かす、とにかく格好良さにステータスを全フリした曲である。冒頭のヴァイオリン、いやフィドルとチェロの3連符系パッセージからホイッスルの音鳴り響くイントロはケルティックな雰囲気。8分の6で跳ねるグルーヴ感も心地よい。この曲は「騎士」も一つのテーマになっており、8-6のナイトと言えばディープ・パープルだが(ナイト違い)、こちらをWhite Knightと名付けても違和感はない。あるいはアイリッシュ風ロックと言えばフロッギング・モリーを思い出す。Bメロにはうっすらとバグパイプらしい音もする。様々なテーマ性をまとめ上げたんだなあと感心するばかり。サビの歌詞でも「〇〇ない」という否定型を連続したり「楯になれる 剣にもなれる」とレイさんの持つブランド「ロイヤルソード」を活かした逞しさ凛々しさが主張されつつも、サビの後半では「フワリ シャツの胸が高鳴る」「頬 薔薇の色が染める」と女の子らしさを入れ込んで、さながらリボンの騎士。よくよく練られている。
ネバギバ☆
アイカツスターズ唯一とも言えるチアガールのための曲。チアソングとも言う。さすがゆず様(歌唱担当かな)。本編でこの曲が初登場した際のステージは、ゆず様のあまりのかわいさに一発KOされてしまった。僕もゆず様に応援されたい。いや、応援された。明日からもがんばろう。さて、おじさんの戯言は以上にして、楽曲について語ると、冒頭のギターのカッティング(ブラッシングというのだろうか)のリズム、ノリノリでアゲアゲなイントロは、チアガール的演出ということもあり、聞けばすぐにトニー・バジルの「ミッキー」を彷彿とさせるだろう。なんせミッキーWikipediaに「最も有名なチアリーディングの曲」と書いてあるくらいだ。「フレーフレー」の掛け声やホイッスルの音などもいかにもそれらしい。アゲアゲな曲調も良いが、何より驚かされるのは歌詞である。おそらくこの曲は、アイカツスターズの音楽の中で最も平易な言葉を用いて作詞されており、対象年齢の幅の中でも最も幼い子たちでもわかるくらいだと思う。この平易な語彙でよくぞここまでと感嘆する。ラスサビ前にはコールが入り、ベイ・シティ・ローラーズのサタデーナイトの「S・A・TUR・DAY・NIGHT!」(あるいはラモーンズのロックンロールレディオやTOKIOのカンパイのリズム)よろしく「A・I・K・A・TSU アイカツ!」と繰り返される。ただただかわいい。素敵。元ネタの話ばかりしてもあれだが、もし「ミッキー」という曲のチョイスが、ゆず様の先輩でありながら前年度の幹部(付き人的な存在)を務めた桂ミキ先輩(ゆず様からはミッキーと呼ばれ愛されている)のことも意識していたとしたら、これはすごいことですよ。真偽の程は不明だが。
Bon Bon Voyage! ~エルザ & きらら & レイ & アリア ver.~
曲については以前語ったので省略。これはもはやファンサービスというところで、いままでエルザ様の独裁体制が続いていたヴィーナスアークだったが、仲間とアイカツする素晴らしさを主人公ゆめちゃんたちから思い知らされ、ついにヴィーナスアーク幹部4人による歌が実現した、という本編の胸熱展開を収めてくれてありがとうという感想しかありません。レイさん(歌唱担当りえ)はともかく、アリアちゃん(歌唱担当るか)は別にそんなに歌が上手いわけではない(のに歌が上手い設定のキャラばかり担当させられる)ので……。でもそういうことではない。4人でやることに意味がある。本編の胸熱展開でしか聴けなかったCD未収録のステージは他にもたくさんあって、ゆず様とリリエンヌのアニマルカーニバルとか、26代S4のepisode Soloとか、きららとあこのおねがいメリーとか、小春ちゃんの入った5人のアイカツステップとか、挙げればたくさんある。だから、4人のボンボヤには感謝しかない。
アイカツスターズ!のCDについて語る その1(2017年10月18日)
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都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more