シューマン 幻想小曲集 作品12
シューマンの1837年に作られたピアノ曲集。
それぞれ表題があり、「夕べに」「飛翔」「なぜに?」「気まぐれ」「夜」「寓話」「夢のもつれ」「歌の終わり」
ピアニストのロベーナ・レイドロー嬢に献呈。
僕が初めて弾いたのは「飛翔」で、この曲やブラームスを弾くようになってから、音楽の楽しみ、美しさを少し理解するようになった。
シューマンの持つメロディックな響きと、しっかりした構造美が、バランス良く反映されている。
そしてなぜか「夜」をテーマにした曲が多い。この理由はわかっていないようだが、年下の美貌のピアニスト、ロベーナに献呈されているところや、恋多きシューマンのことを考えると、どこまでも想像はふくらむ。
シューマンは「夜に」を最も好んでいたらしい。この曲は最も難易度が高いが、その分聴き映えがする。
僕のお気に入りは「なぜに?」と「夢のもつれ」である。
シューマンは語りかける。愛のささやきのような、優しく柔らかな言葉を。
その答えは、彼の全てを見通し受け入れるかのごとく、ゆっくりと包み込んでいく。
時には子供のように気まぐれを起こし、戸惑うこともある。
悲哀と情熱の入り交じる夜は、複雑にからむ夢へと誘い、全ては美しくも滑稽な歌とともに終わる。
それはあくまで幻想にすぎない。
シューマン:謝肉祭,幻想小曲集(1962年録音) ルービンシュタイン(アルトゥール),シューマン BMGインターナショナル |
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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more
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