バーンスタイン キャンディード序曲:お茶目に楽しく

Spread the love

ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー/バーンスタイン:シンフォニック・ダンス、他

バーンスタイン キャンディード序曲


「ワクワクする音楽会」の幕開けに最も相応しい序曲と言ったら、聴いてすぐにワクワクするこの「キャンディード」序曲に勝るものはないだろう。
もちろんその音楽会とは某テレビ番組のことだけではないが、さわりだけで心躍る序曲だ。
昨年の終わりにたまたま演奏会でキャンディードのアリア「着飾って、きらびやかに」を聴く機会があり、やはりキャンディードはいいなあと思った。
その「着飾って、きらびやかに」や二重唱「幸せなわたしたち」が盛り込まれた、楽しさ満点の序曲。
ミュージカルそのものは、18世紀フランスの思想家ヴォルテールの『カンディード或は楽天主義説』を原作とした、2幕のミュージカルで、初演は失敗だったが、何度も改訂を重ね、1989年のものが完全版とされている。
筋を一言でいえば、キャンディードという青年がてんやわんやの大騒ぎをして最終的に日常に幸福を見出すというものだが、なかなか公演が開催されないのは、その「着飾って、きらぼびやかに」が難曲で、よほどの人材がいないと出来ないからだ。
それに引きかえ、序曲は単独でよく演奏される。だからと言って簡単な訳ではない。奏者の技術や指揮者の技量が試される曲だろう。
バーンスタイン自身が指揮をしているロサンゼルス・フィルとの演奏は、まるで指揮者自身が踊っているんではないかと思うほど、楽しそうな演奏だ。


ミュージカルの幕開けを華々しく告げる序曲は、ティンパニの強打と金管楽器のファンファーレで始まる。
「Battle Music(戦いの音楽)」が用いられ、早いパッセージが入れ替わり様々な楽器で奏でられる。また音盤打楽器が効果的に用いられているところも聴きどころだろう。
中盤はクラリネット、フルート、オーボエ、バスーンなどの木管楽器のソロが重要な要素となって音楽が紡がれる。
弦楽によって悠々と奏でられるのはキャンディードとクネゴンデの二重唱「Oh, Happy We(幸せな私たち)」。
中間部の盛り上がりが終わると音楽は再現部へ。再び早い旋律、「Oh, Happy We(幸せな私たち)」と音楽が展開すると、わずかな休止の後、コロラトゥーラ・ソプラノの超絶技巧ピースとして知られるクネゴンデのアリア、「Glitter and Be Gay(着飾って、きらびやかに)」が軽快に奏でられる。
音楽は勢いとエネルギーを増し、それは一瞬可愛らしさを見せて、爆発する。
このお茶目な終わり方がいかにもレニーといったところで、この曲をいっそう愛らしくしているのは言うまでもない。

ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
バーンスタイン(レナード),ガーシュウィン,コープランド,バーバー,バーンスタイン,ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団,ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団

ユニバーサル ミュージック クラシック
売り上げランキング : 3961

Amazonで詳しく見る by AZlink


ここまで読んでくださった方、この文章はお役に立ちましたか? もしよろしければ、焼き芋のショパン、じゃなくて干し芋のリストを見ていただけますか? ブログ著者を応援してくださる方、まるでルドルフ大公のようなパトロンになってくださる方、なにとぞお恵みを……。アマギフ15円から送れます、皆様の個人情報が僕に通知されることはありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございます。励みになります。ほしいものリストはこちら

Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

にほんブログ村 クラシックブログへ にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ 
↑もっとちゃんとしたクラシック音楽鑑賞記事を読みたい方は上のリンクへどうぞ。たくさんありますよ。

Spread the love

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください