普段演劇を鑑賞することはめったにないのですが(育児優先パパなのでクラシックだってそんなに多く生演奏を聴きに行けないのに)、今回はちょっとご縁があってお招きいただいたので、シェイクスピアなぞを鑑賞することができました。彩の国シェイクスピア・シリーズというもので、この会場では蜷川幸雄演出でシェイクスピア全作の上演をやってのけたらしい。蜷川演出で主演を務めることの多かった吉田鋼太郎が演出を引き継ぎ、今またシリーズとしてやっているらしい。という理解で合ってるのかな? 今回は彩の国さいたま芸術劇場の30周年記念で「高校生を中心とした若い観客から大人まで、幅広い世代にもっと気軽にシェイクスピアを楽しんでもらいたい!」とのこと。公募で選ばれた埼玉県内の高校生や18歳以下の子供を招待しているそうです。すいません、どっちにも当てはまらない都内在住のおじさんで……。そういえば僕も高校生のとき、新潟に住んでましたが、当時の芸術鑑賞教室みたいなのでヴェニスの商人を見たなあ。なんにせよ若い人たちが芸術に触れるのは良いことですね! なお、僕はアイカツおじさんですので、今回の公演に美山加恋ちゃんが出るのを心の底から楽しみにしていました。うおお、生美山加恋ちゃんだぞ! 盛り上がってきたじゃない!
【彩の国さいたま芸術劇場開館30周年特別企画『夏の夜の夢』】
(2024年12月10日~16日、彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)
作:W. シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出・上演台本:吉田鋼太郎
出演
鍛治直人・・・オーベロン(妖精の王)/シーシュース(アテネの公爵)
太田緑ロランス・・・タイテーニア(妖精の女王)/ヒポリタ(シーシュースの婚約者)
窪塚俊介・・・ディミートリアス(ハーミアを恋する若者)
美山加恋・・・ハーミア(ライサンダーを恋する乙女)
深澤 嵐・・・ライサンダー(ハーミアを恋する若者)
竹内カンナ・・・ヘレナ(ディミートリアスを恋する乙女)
塚本幸男・・・ボトム(機屋)
飯田邦博
佐々木 誠
橋本好弘
大河原啓介
堀 源起
大西達之介
山田美波
坂田周子
金子久美子
悠木つかさ
飛田修司
伊藤大貴
藤元萬瑠(Wキャスト)
濱田碧生(Wキャスト)
めちゃくちゃ良い席で恐縮だ……こんなに近くで美山加恋ちゃんを見て良いのか、アイカツおじさん死ぬぞ。別に僕はシェイクスピアにも演劇にも詳しくないので、大した感想なんて書けないんですけど、素人目線として普通に、すごくすごく面白かったです。2時間超えで休憩なしのぶっ続けはちょっとキツイかな、なんて思っていたし、もちろん疲れたは疲れたけども、面白くて集中できました。始まるといきなりガーシュウィンのサマータイムが流れてきて、なんじゃこりゃって感じだったけど、夏の夜だしね。オペラで言うところの現代演出(?)なんですかね、マジでなんも知識なくてごめんなさい、舞台はアテネだそうですが衣装は現代風、でもってサマータイムが流れる、謎である。役者さんたちの演技はすごかったわ。もちろん僕は使命感を持って美山加恋ちゃんの一挙手一投足を凝視していましたが、演技はもちろん、声がね、もうね、たまらんすね。その発声が演劇的にどうとか、そういうのは知らない。しかし役柄にはとても合っていると感じました。他の役者さんも、演技や台詞回しや発声など、本当にエネルギッシュでびっくり。演劇って面白いんですね。もっともっと見てみたいなと思いました。
舞台中央に置かれた水場(?)も面白かったですね。色んな用途があって。バッシャンバッシャンやってね、水しぶきが上がると自然と見ちゃうよね。衣装をブンブン振り回して、1列目の人とか水かかってたんじゃない? それも高校生とか、若い子たちならまた思い出というか、楽しいのかもしれないね。僕はあんまりあの水はかかりたくないなあと思いながら見ていましたが。あの水場、何なんですかね、よくあるものなのか、ああいうのは珍しいのか、それすらも知りませんが、吉田鋼太郎の演出って結構ポップなのかな、なんて思いました。それとも幅広い世代に見てもらうためにちょっとくだけた感じを狙ったのか、どうなんだろう。その辺も気になるから次回のシェイクスピアも見たいなあと思っちゃった。僕は演劇に関してはド素人なのでド素人の感想しか言えませんが、やっぱり音楽好きなので音楽も気になった。基本的にそんなにBGMはなくて、サマータイムは歌唱場面も含めていくつかのアレンジがされて流れていたかと思うんですけど、最後の唐突なスタンド・バイ・ミーには笑ってしまった。なんでなん? あんなにサマータイムだったのに、ここに来て。ウェンザナイ!ってこと? 結婚したから、夜になって寂しいから側にいてねってこと? あの赤ちゃんを拾い上げるもなんでなん? いやわかるよ、新床だし、水からってのもわかるさ、赤ちゃんは水の中にいるものだもんね、高校生もいるし露骨なことはできないとして、妖精の言葉があってからの神妙な面持ちの花嫁たちにスタンド・バイ・ミーが降り注ぐのはちょっと滑稽な感じで、謎。笑ったわ。あと最後のハッピークリスマスもなんでなん。年末だから? デパートのBGMかって。だってサマータイム、スタンド・バイ・ミーはアメリカだけど、ここに来てジョン・レノンなのよ。音楽は統一感ってないのか、やるなら徹底してサマータイムじゃないんか。いやいやいや、夏の夜の夢という演目に統一感なんてものを求める方がおかしいかもしれん。でもだったら洋楽三連発じゃなくて、もっとかけ離れて支離滅裂なの3つにしても良いんじゃないか、とか。そんなことをモヤモヤと考えました。この曲のチョイスも吉田鋼太郎なのかな? テクストとの関連など、深い意図があったのかな? 僕はわからんかったけど、まあその辺の扱いはまたミュージカルやオペラとは別物なんでしょうしね。
なんてことを色々思ったりして、楽しませてもらいました。もちろん美山加恋ちゃんの熱い演技を生で見られただけで至上の喜びなんですけど、それだけでなくって、演劇って面白いなと思わせてもらえたのは大きいですね。次はマクベスですか? あってる? 藤原竜也? 今回めっちゃ面白かったから、また行けるなら行きたいですね。多分高校生たちもめっちゃ楽しんでいたと思います。いいなあ、高校時代にこんな経験できて。埼玉県、すごい!
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more