今年もなんとかかんとかウィーン・フィルにありつけました。ラン・ランの協奏曲やブルックナーなどもありましたが、日程的にこの日しか行けず、期待していたのはブラームスのドッペル。何と言ってもウィーン・フィルと言えば、あの心底ブラームスを舐め腐ったような、浮ついたフワフワなソロで聞かせるドッペルです。あれですよあれ。そこんところ、シュトイデさんもソモダリさんもわかってますよね、期待してますよ?笑 いいすか、シュナイダーハンとシュタルケルのじゃくて、ボスコフスキーとブラベッツの方ね。ベームじゃなくてフルヴェンね!と思いつつ会場へ。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲&ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ワーナーミュージック・ジャパン (2014-11-12)
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【ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2018】(2018年11月24日、サントリーホール)
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」作品92
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
(ヴァイオリン:フォルクハルト・シュトイデ、チェロ:ペーテル・ソモダリ)
ソリストアンコール ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるパッサカリア
ワーグナー(ウェルザー=メスト編):舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』<第3夜>楽劇「神々の黄昏」より抜粋
アンコール J.シュトラウスⅡ:ワルツ「シトロンの花咲くところ」作品364
J.シュトラウスⅡ:ポルカ・シュネル「浮気心」作品319
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
ドヴォルザーク謝肉祭、これは知名度はそんなに高くないんですが、すごく良い曲なんですよね。小澤/ボストンの録音で初めて聴きましたが、それ以来気に入っています。ワイワイ音を鳴らすので、多少揃わなくても気になりませんし、ウォーミングアップにはぴったり。ウィーン・フィルの音だなあと思いつつ、期待していたブラームスへ。これがなんとも。微妙。やはり、変な期待はしない方が良いですね。シュトイデさんとソモダリさんのソロは非常に素晴らしく、絶妙な掛け合いもユニゾンで歌うところも息が合っていて、美麗な音色で聴かせてくれましたが、伴奏がどうも面白みがありません。ウェルザー=メストはテンポ早めでキリッとやりたかったのかもしれませんが、オケはどうにも、もったり。コンマスはブルーメンシャイン。おいおい。ブラームスの協奏曲なんて伴奏がメイン(それは言い過ぎ)のようなものだけに、悔しいですねえ。ソリストアンコールは、とてもとても良かったです。まさかやると思っていませんでしたし、結構曲が長かったので、テクニック、音色、アンサンブル、たっぷり魅せてくれました。
休憩挟んで後半、休憩中に喉を潤そうと思ったら、大学時代の同級生に数年ぶりにばったり会ってしまい、思わず話し込んでしまいました。ということで終演後は喉がカラカラだったのですが、それはさておき後半のワーグナー、これはこれは素晴らしい、豪華絢爛でありながらも重すぎず音圧軽めの響き、ブラボーですね。きっと前日のブルックナーとこれはちゃんリハしたんでしょう(知りませんが)。ウェルザー=メストも「ウィーン国立歌劇場でやってきた成果を、是非、日本の皆様にも聞いていただきたい」とインタビューで言っていた通り、このワーグナーはもっともっと聴いていたいよ思うような、つまりウィーン国立歌劇場でワーグナーを見たいなあと思わせるような演奏でしたね。宣伝演奏か!
アンコールのシュトラウスはさすがですね。これもウェルザー=メストがかなりキビキビ弾かせたがっていましたし、ポルカはかなりテンポもアゲアゲでキリッとした仕上がりに。ウェルザー=メストってこういう感じでしたよね確か。ブラームスも「やりたいことがあればクリーヴランド管でやれば……」というのは否めませんが、シュトラウスはどうだったかな、と。僕あまり彼のニューイヤーも印象にないんですよね、1回めは僕インフルエンザで寝ながら放送見てたので……。ともかく、絶品ワルツとちょっと締め上げたポルカでした。やっぱり、たまたまですけど、最近サヴァリッシュ/ウィーン響の(珍しい)生真面目シュトラウスの音盤を聴いていたのが功を奏したかなと(笑)
今年の物販は青系を基調として、なかなかオシャレでかわいいですね。Tシャツも惹かれましたが、なんかホルン吹きに間違われそうなので見送りました(笑)あと、こんなマナーの案内もサイネージに表示されるようになったんですね。へー。
ユニバーサル ミュージック クラシック (2010-07-28)
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都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more