ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツでゴッホ展を見てきました。地下鉄に乗り、降りるはずのピカデリーサーカス駅がなぜかClosedだったため、仕方なくグリーンパークで降車し、歩いているときにたまたま見つけたので入りました。多くの美術館は無料ですが、ここは有料なんですね……まあ特別展だし仕方がないか、と自分を納得させて展覧会へ。
THE REAL VAN GOGH The Artist and His Letter と名付けられたゴッホの展覧会で、平日だというのになかなか込み合っていました。この展覧会の売りは「ゴッホの手紙見せちゃうよ」だったようですが、僕はそもそもあんまりゴッホに詳しい訳ではないので、とりあえず絵を見る方を優先しました。ここで展覧会やってるって最初から知ってたら、ゴッホもうちょっと勉強してからロンドン行ったさ(笑)
一番の目玉は上の絵 Self-portrait as an Artist です。この自画像は「耳を切った自画像」に並び、素人の僕も知っている有名なものですね。ゴッホにとって「肖像画」というのは何より重要な絵だったようです。彼はそれを色彩の方法の中に探し求めたとのことです(手紙にそう書いてあります)。この絵でも、色彩を強めることで、表情豊かで感情的な印象を描き出すことに成功しています。
1888年に、ゴッホはパリからアルルに移り、「ひまわり」や「夜のカフェテラス」など多くの名作を生みだしたいわゆるアルル時代が始まります。上の絵 The Yellow House (邦題「黄色い家」)は、今回僕が見た中で一番インパクトのあったものです。この色彩! ゴーギャンとの共同生活でも知られる、芸術家たちの集うアルルの館を描いたこの作品は、ゴッホも描くのに苦労したということ逸話がありますが、それも納得できる程、目を見張る美しいコントラストが特徴です。南仏の太陽が照らす黄色の砂と家、そしてコバルトの空。これは思わず見入ってしまいました。
ゴッホの探求した「色彩」を感じることができ、とても素敵な時間でした。
もっと知りたいゴッホ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) 圀府寺 司東京美術 売り上げランキング : 114659 |
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more