サントリーホール ニューイヤー・コンサート2020 ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団

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レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」(全曲)


今年のコンサート初めはフォルクスオーパーのニューイヤーで。皆さま今年もよろしくお願いします。


【サントリーホール ニューイヤー・コンサート2020 ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団】
(2020年1月6日、サントリーホール)


スッペ:オペレッタ『ウィーンの朝、昼、晩』序曲
カールマン:オペレッタ『マリッツァ伯爵家令嬢』より「ウィーンへの挨拶」
カールマン:オペレッタ『チャールダーシュの女王』より「ハイヤ、ハイヤ、私の故郷は山の中」
オッフェンバック:オペラ『ホフマン物語』より 舟歌「美しい夜、おお、恋の夜よ」
ヨーゼフ・ベドナリク:『キユーピー100周年変奏曲』-イェッセル『おもちゃの兵隊のマーチ』のテーマによる
ハチャトゥリヤン:『仮面舞踏会』より「ワルツ」「ギャロップ」
ヨハン・シュトラウスⅠ世:幻想曲『エルンストの思い出、またはヴェネツィアのカーニヴァル』作品126
ヨハン・シュトラウスⅡ世:『トリッチ・トラッチ・ポルカ』作品214
レハール:オペレッタ『メリー・ウィドウ』より「ときめく心に唇は黙し」
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ『美しく青きドナウ』作品314
アンコール
ヨハン・シュトラウスⅡ世&ヨーゼフ・シュトラウス:『ピッツィカート・ポルカ』
ヨハン・シュトラウスⅠ世:ラデツキー行進曲 作品228


ソプラノ:シピーウェ・マッケンジー
テノール:ミロスラフ・ドヴォルスキー
指揮:オーラ・ルードナー
ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団
バレエ・アンサンブルSVOウィーン
佐々木三夏バレエ・アカデミー


曲目見ながら、ふーんハチャトゥリアンねえ、なるほどねーなんてぼーっとしてたら見逃しそうになりますが、1つ謎の曲がありますね、そうです、ヨーゼフ・ベドナリク作曲『キユーピー100周年変奏曲』です。なんじゃこりゃ。ベドナリクって誰。ということで調べましたら、昨年2019年がキユーピー(キユーピーマヨネーズのキユーピーです)が会社設立100周年だったそうで、昨年の記念ニューイヤーコンサートをフォルクスオーパー来日でやった際に、同オケのオーボエ奏者ベドナリクさんが作った、という曲だそうです。3分クッキングの曲(元ネタはイェッセル作曲)の変奏曲だそうで、もうこれは楽しみで楽しみでしかたないですね。なんせウィンナ・ワルツになったりフーガになったりするそうですから、キューピーのサイトに動画も上がってましたが、敢えて見ずに臨みました。果たして!


まずはスッペの「ウィーンの朝、昼、晩」序曲で華やかな幕開け。司会のまとばゆうと、燕尾服を着た着ぐるみキユーピーちゃん登場。かわいいですね。まとばゆうのスベリ芸に、キユーピーちゃんが無言でツッコミを入れるのはなかなか良かったです。歌手登場で、カールマンのオペレッタから。フォルクスオーパーの本領発揮ですね。歌も情熱的に魅せます魅せます、良かったです。そしてホフマンの舟歌、そう言えば2019は都響で聴きましたね。本場のオッフェンバックも良いものです。いよいよ一番のお楽しみ、ヨーゼフ・ベドナリク「キユーピー100周年変奏曲」、軽い感じかと思えば意外にも12変奏の大曲、軽音楽でありつつも、変奏自体は凝ってますし、冒頭からテーマを出さないのもまた良いですね。最後の方でわかりやすく出てきます。終盤の強引なフーガから盛りまくりなクライマックスまで、様々な楽想でたっぷり楽しめる曲でした。これはなかなか、アレンジャーのセンスが光りますね。


休憩明けてハチャトゥリアン、僕の好きな作曲家ですが、「仮面舞踏会」のワルツとギャロップなんて新年からやるもんかねと気を抜いていたら、まさかのこれが本日の個人的ナンバーワンヒット。いや、正直これはバレエ・アンサンブルSVOウィーンのバレエ付で、ワルツは仮面を携えた女2男1のダンサーによる舞踊がですね、大変にセクシーでいらっしゃって、平土間前列にいた僕は音楽なんて聴いてる余裕ないわってとこだったんですけども、そんな誘惑にも負けずに耳を奪われる素晴らしい演奏、キレは抜群だし早めのテンポも気味が良く、劇場オケの強さはこれかと、感動いたしました。ギャロップは男ダンサー1人が、マイムもコミカルでありながら技も見せる、コンテンポラリーなバレエにブラボーです。いやー、まさかハチャトゥリアンでこんなに食らうとは。わからんもんですね。シュトラウスⅠ世の幻想曲「エルンストの思い出」は楽器紹介。司会がコメントして、パートごとに工夫をこらして笑いを取りながら演奏。ウィーン・フィルのニューイヤーで時々やるネタをギュッと詰め込んだような。指揮者ルードラーも、もう楽しませよう楽しませようと道化っぷりがすごい。ファミリーコンサートなので子どもも結構いましたが、割とウケてたので、いいんじゃないでしょうか。少なくとも司会よりはウケてただろ。続くトリッチ・トラッチ、佐々木三夏バレエ・アカデミーの小学生6名が踊る、ネズミ3びきネコ3びきのトムとジェリーのようなやりとりが、まあ可愛らしくて、なんかもう、新年早々こんなの見ちゃってなんか悪いね、ごめんね、おじさんこんなの見ちゃって本当ごめんね、これからもバレエがんばってね、って感じですかね。ネズミはピンクを基調にした可愛いチュチュ、ネコはミュージカル「キャッツ」風のカジュアルなシャツに毛皮ズボン、かわいいね。可愛すぎて、音楽の感想ないわ。数少ないシュトラウス・ファミリーの曲はほぼ印象に残らないという。今度は歌手2人登場でメリー・ウィドウの名曲、圧巻のステージ、これぞフォルクスオーパー(いや知らんけど)、指揮のルードラーさんもヴァイオリン弾いてたし。お腹すいてるときに少し食べ物食べると余計にお腹すくじゃないですか、そういう感じで、普通にオペレッタ生で見たくなりました。こうもりとかメリー・ウィドウとか、見たいですね。最後の曲はちゃんと聴けたシュトラウス「美しく青きドナウ」、逆に印象ない。あれ、これ拍手して遮るのかな、と一瞬思いましたが、そんなことありませんでした。まあでも、元日ウィーン・フィルの放送見てるし、ドナウに関してはそれ以上のものはなかなかね。アンコールはピツィカート・ポルカとラデツキー、カーテンコールの拍手は知識がないから空気読めないくせにマーチの手拍子だけはやたら元気な聴衆ですが、それもまたジャパニーズ・ニューイヤーってもんですよ。いやはや、楽しい時間でした。まだまだ正月休みをしていたい、できれば半年くらい。もう半年は年末休みね。あ、キユーピーさんからお土産もありました。いいコンサートですね!

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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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