「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」記念コンサート vol.2 中野振一郎

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東京・春・音楽祭に行くのも久しぶりです。というか、そもそも演奏会に行くのが久しぶり。今年初だわ。上野公園も、もうすぐ桜が見頃かな、というくらい。最近寒かったからなあ。

【「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」記念コンサート vol.2 中野振一郎】
(2022年3月24日、東京都美術館 講堂)

ザクセン選帝侯と音楽 — アウグスト1世&2世の時代
 ヘンデル:組曲 ニ短調 HWV437
 テレマン:《チェンバロのための6つの序曲集》より 第1番 ト短調 TWV32:5
 C.ペツォールト:2つのメヌエット ト調、組曲 変ロ長調 より
 W.F.バッハ:チェンバロ・ソナタ イ長調 Fk.8
 アンコール クープラン:クラヴサン曲集 第4巻 より 第23組曲 ヘ長調 アルルカン
中野振一郎(チェンバロ)


先週、東京都美術館でこの「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を観に行きました。Twitterの方では少し書いたのですが、僕の好きなオランダの画家、アールト・ファン・デル・ネールやヤン・ファン・ホイエンはなくて、少し残念。でも楽しめました。そのミュージアムコンサートなのにオランダの曲が全く無い今回のプログラムは、フェルメール展はドレスデン国立古典絵画館の所蔵ということで、その縁でドレスデンにちなんだ楽曲とのこと。美術展を見ても全くドレスデン風は感じられませんでしたが、音楽はばっちり感じましたよ(笑)


東京都美術館の講堂が会場で、ここは上野のどこかと違って椅子が柔らかくて大変結構。楽器はレオンハルトが愛用していたモデルだそうです。演奏会は終始、中野さんの軽妙なトーク(?)も炸裂し(まだまだ喋り足りないようではあったけれども)普段フランスものを得意とする中野さんも久しぶりのコテコテなドイツ・プログラムということで楽しんでおられて、色々と説明しながらの演奏、勉強になりました。特にペツォールトはドレスデンで活躍した音楽家で、これは正真正銘ドレスデン音楽。あのバッハのメヌエット(ラバーズコンチェルトで有名)は、実はペツォールトの作だと明らかになったんですよね。それに続く組曲変ロ長調からの抜粋、これはなかなか珍しい曲ですし、非常に技巧的で難しそうな曲でした。中野さんも「こんな曲も書いてたんですね。勉強したいと思います」と語ってらっしゃいました。


別名「ドレスデンのバッハ」こと、J.S.バッハの長男、フリーデマン・バッハのソナタは、演奏前に色々と解説されていた通り、情緒不安定な作風がよくわかる曲で、また演奏も大きな抑揚と激しい感情が表出しまくりで、とても楽しかったです。それにしても中野さんの演奏、絶対フランスものの方が自由自在に弾けるんだろうにミスマッチな感じでめっちゃ面白いなあと思って見ていましたが、最後はお得意のクープランで良い〆。今度はもっとクープランやるときに聴きに行きたいですね。でも、よく考えてみたら僕は中野さんの録音で一番聴いてるのってヨハン・シュトラウスのアレンジものだったり(↓リンク)、川本さんとのソナタ集だったり、あんまりフランスものばっかりでもなかったわ。


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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