シュタイネッカー指揮都響 第887回定期演奏会Cシリーズ

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Offenbach/Gulda: Cello Concertos


今回の都響は「スッペ&オッフェンバック生誕200年記念」だそうです。こないだ「日本オーストリア友好150周年記念」でモーツァルトとブルックナーを聴きましたが、スッペとオッフェンバックというのも、なかなか乙なものですね。


【シュタイネッカー指揮都響 第887回定期演奏会Cシリーズ】
(2019年10月2日、東京芸術劇場)
スッペ:喜歌劇『軽騎兵』序曲
オッフェンバック:チェロ協奏曲 ト長調《軍隊風》(日本初演)
ソリストアンコール バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BW1009より 4.サラバンド
スッペ:喜歌劇『美しきガラテア』序曲
オッフェンバック:歌劇『ホフマン物語』より「間奏曲」「舟歌」
オッフェンバック:喜歌劇『天国と地獄』序曲
指揮/フィリップ・フォン・シュタイネッカー
チェロ/エドガー・モロー


軽騎兵、迫力あり引き締まった音で爽やかな幕開け。楽しみにしていたオッフェンバックのチェロ協奏曲、以前ブログでも取り上げましたし、この演奏会があることにも触れましたが、日本初演を聴けて満足です。ソリストのエドガー・モローはさすが、録音出してるだけあってもはやお手の物なんでしょうか、縦横無尽に駆け回る見事な演奏でした。テンポの変化もそうですが、とにかく動きの多い45分の大曲ですし、日本初演というのもありますし、オケは慣れない曲でなかやか危ういシーンも何度かありましたね。モローも技巧的なパッセージを弾きながらめちゃめちゃ指揮者見てオケと合わせ、上手く調整していました。すごい。そんなシーンも含め、ソリストは魅せてくれました。圧巻の演奏。


しかしこれがなかなか、長い曲だなあと感じる人も多かったのではないでしょうか。マーラーやブルックナーの交響曲を聴くのと、あるいはオペラ観るのとはまた違いますし、刺激的な音楽に慣れてしまった現代人がこの調子の(この平和な作風の)曲を45分って、正直しんどく感じる人もいただろうなあ、と。そこかしこですやすや眠るご老人方の多さ(平日昼なので基本ご老人ばかりですが)を鑑みても、そんなことを思いました。シューベルトの「天国的に冗長」みたいなものかもしれませんが、どうでしょうか。


最後の「天国と地獄」の前に、指揮者が舞台に戻ってきた途端にチューニングが始まってしまい、シュタイネッカーが「どうぞどうぞ」みたいなリアクションして笑いが起こっていました。ホフマンの舟歌も、天国と地獄も、僕みたいにそんなにオーケストラのコンサートに行きまくる訳ではない人にとっては、プロオケの演奏を聴くのは珍しいので、上手い生演奏を聴けて良かったです。アマオケならそれなりに演奏されてそうですけどね。

スッペ:序曲集
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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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