山田和樹指揮読響 第224回日曜マチネーシリーズ

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バイカ


本当は子守りをするはずだったのが、妻が子どもを連れて出かけることになったため、ぽっかり空いた時間、どこかの当日券チャレンジでもするかとコンサートを探してみたところ、たまたま読響がハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲をやるのを発見。最近このブログの同曲の記事がアクセス増えていたのはそのせいかと、せっかくなのでハチャトゥリアン聴くぞと意気込んで池袋へ。良い曲なんですよね。


【山田和樹指揮読響 第224回日曜マチネーシリーズ】
(2020年2月2日、東京芸術劇場)


マーラー:花の章
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ソリストアンコール バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 サラバンド
マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」
アンコール バッハ(マーラー編):アリア


指揮=山田和樹
ヴァイオリン=ネマニャ・ラドゥロヴィチ


僕はめったに当日券で聴くことはないんですが、発売列に並んでいると、おばさんが旦那さんか誰かに電話しています。当日券あるからあんたも来なさいとか、サントリーホールじゃなくて芸術劇場だとか、シチューあるからどうのこうのとか、しまいには龍角散もってこいとか。おいおい、龍角散が必要なレベルで咳出るのかよ、勘弁してくれよ……なんて思っていましたが、多分龍角散は優秀なので効くんでしょう。


花の章をコンサートの序曲的なポジションでやるのにはなにか理由があるのだろうか、とふと思う。指揮者的にはマーラー1番と分けてやりたいのが本音なのか、それとも組み入れたいけど事情で分けているのか。「本当は1番にあった曲だよ」的な紹介でさらりとやりたいのか、とかね。個人的にはそのまま1番に組み込んでもいいんですが、そうするとやっぱり長いですし、聴く方もきついでしょう。土日マチネですし。人気ヴァイオリニストの登場もあるので、遅刻者対応も気にしないといけないし、ド頭から協奏曲はやれん、てとこでしょうか。知りませんが。ということで、どこか唐突な気もしますが花の章からスタート。トランペットは1曲目すぐにソロでやりづらいでしょうか、そんなことを感じさせないナイスプレーでした。


それにしても、トランペットソロ中にいびきかいて寝ていた爺さんはある意味尊敬だわ。この人、その後も各楽章ごとに大いびきかいてましたが、開始1分も経ってないくらいって、なんなんだよ……入眠の早さ、のび太くんかよ。僕が隣席だったら即起こすレベル。いびきがデカくなってその音にびっくりして自分で起きるタイプだったけど。ハチャトゥリアンのカデンツァでいびき、本当にやめてくれ……寝るなら静かに寝るべし。ついでに言わせてくれ、隣のおばさん、開演ギリで入って着席してからペットボトル開けるな、飲んでから入れよ、しかも蓋落とすし。蓋どこ行ったかわからなそうで、僕も探すの手伝ってあげようかと思ったけど、おばさん蓋より先にカバンからオペラグラス出して団員見出したので、やめた。


期待していたネマニャのハチャトゥリアン、正直予想外というか、まあ僕も曲は好きなのですが、ネマニャについて予習なんてしてなかったので、せいぜい思い出すのは「題名のない音楽会」で見たな、くらい。わざわざハチャトゥリアンなんてやるくらいなので、ゴリゴリの骨太音楽なのかと思いきや、全然違いました。確かに技巧派で情熱的だったのですが、意外にも線が細く、華奢で繊細な音。まあ高身長で脚も細かったし(関係ない)。勝手な思い込みで倍音ブイブイ鳴らすパワフルでイケイケなのを想像してしまいました。小綺麗にまとまった、という感じです。全体的に良かったんですが、ハチャトゥリアンの意味あるか……彼が協奏曲弾くなら、ベトメンチャイとか、あるいはバッハとかヴィヴァルディとか、そっちの方が聴きたかったな。極弱音をきれいに使うアンコールに弾いたバッハの方がずっと好きでした。アンコールは大変美しかった。


ということで、思ったのと違う演奏に面食らってしまったので、休憩で気持ち切り替えてマーラーに臨むぞと、思った矢先の1楽章冒頭、意外とデカイ音で鳴るA音と微妙に合わない縦に冷めてしまった……。まあ変にリスク取って小さくやるよりかはマシなのか、しかし意気込んで来た主目的のハチャトゥリアンでハートに火を点けられずに来た自分のメンタルには、それからは何をしてもあまり響くことはなく、演奏自体は上手いし熱演だったし、コントラバスのソロも澄んでいてきれいだし金管も立派な咆哮だったのに、エグいほどの上手さにしびれたり、あるいは特にこれといった発見や感動したりすることなく終わってしまった感。まあドンマイ。これが読響の会員でよく聴きに来ていたり、あるいは普段クラシックのコンサートに来ないような人なら、発見や感動もあったかもしれない。新日フィル、都響あたりはちょこちょこ聴きますが、読響聴いたの2013年以来。山田和樹さんは2017年のサントリーサマーフェスタで聴いて大変満足でした。


当日券出ている情報があったので、例えばロト/都響や上野の藤原歌劇団リゴレットという手もあって迷ったのですが、「ロトがいいのは決まってるし、せっかく記事アクセスもあって予習してくれる人もいるんだ、ありがたいことだ、敢えて攻めてみるか、ハチャトゥリアン聴くぞ、ハチャトゥリアン好きだし、ブレない姿勢かっけー」の精神で選んだのですが、こういうこともある。ロト都響、絶賛の様子を見て、悔やまれるも、まあ「がっかりを恐れない」のが大事。ネマニャについては新たに知ったのは良かったな、バッハ盤出てるみたいなので聴いてみましょう。


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Author: funapee(Twitter)
都内在住のクラシック音楽ファンです。コーヒーとお酒が好きな二児の父。趣味は音源収集とコンサートに行くこと、ときどきピアノ、シンセサイザー、ドラム演奏、作曲・編曲など。詳しくは→more

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